第38章 過去編~鍵~
「死神の方に聞いてみましょう。それが一番手っ取り早いです。」
「いやぁ……でもおっかねぇよ。」
「刀さして……厳つい奴らばかりだし、女の子の為に動いてくれるか?」
死神に対しての印象はあまり良くないのかな。
「私が話します。」
「お、おい!」
私は山林へ入り、死神の霊力を頼りに歩いた。
日はすっかり暮れて、暗い道をぐんぐん進む。
「おーい!待ってくれ!姉ちゃん!」
男達が灯を持ってついてきた。
「灯なしで行くなんて自殺行為だ。」
「俺らもついて行くよ。」
「あんたになんかあったら、お前さんの家族に顔向けできない。」
「で、死神はどこにいんだい?」
「正確な場所はわかりません。ただ……この先をずっと行ったところにいると思われます。」
「この先は、第五地区か。」
「一条湖の畔に出る。だが、ここから相当歩くぞ?俺らの足でも2時間くらいか?」
「……そうですか。」
その時間はリカちゃんの捜索にあてるべきだ。
「振り出しに戻ったか……。」
一人の男性がそう言った。
「いいえ。そういうことならば考えがあります。」
袖を肩口まで上げて紐で結ぶ。
霊力を張り巡らせ、対象を感知するのに手っ取り早く、こちらの伝言も伝えられる……
「黒白の羅 二十二の橋梁 六十六の冠帯 足跡・遠雷・尖峰・回地・夜伏・雲海・蒼い隊列 太円に満ちて天を挺れ」
腕に紋を描き、宙にも描く。
「縛道の七十七【天挺空羅】」
闇夜に網状の霊圧の光が広がる。
「これはなんや!」
「お、おい!姉ちゃん!」
まだだ、もっと、もっと広げて。
「あった!!」
さっき感じた霊力と全く同じ霊子を感じた。
「リカちゃん!聞こえる!?」
「お、おい、どういうことや!」
「お母さんに頼まれて貴女を探している者です。お母さん、とても心配していましたよ。怪我などはしてませんか。今から向かいます。そこで待っていてください。」
「おい、姉ちゃん、今の!」
「大体の場所はわかりました!一条湖へ向かう道を東に逸れた所です。」
「無事なのか?リカちゃんは!」
「普段を知らないのでなんともいえませんが霊力が少ない印象でした。」
「なんだって?」
「とにかく行ってみましょう。」