第35章 過去編~十二~
私は技術開発局へ来ていた。
「蓬莱さん、これお願いしますッス~」
蓬莱?
そんな苗字の人なかなかいないよね?
まさか天月ちゃんがここに来たの?
と部屋を覗く
「これって…こっちなんじゃないですか?」
「えぇと、あぁ!そうッスね!」
喜助さんと話していたのは銀色の髪の毛の儚げな美しさをもつ青年だった。
「あ、ポインティサン!ようこそ~!」
「喜助さん、お手伝いできることあればするけど……その人は?」
青年を見る
「彼は九席の蓬莱 月影さんです。」
月影さんは私を見てお辞儀をした。
「蓬莱家の方ですか?」
「ええ、そうです。」
「ポインティサン、蓬莱家を知ってるんですか?」
「はい、次期当主の方とお話したことがあります。」
「天月様とですか?それはそれは!……あ、今日ここに来る予定なんですよ」
「そうなんですか?」
「はい、この前、痩せる薬を頼まれて試作品を飲んでもらったんです、その件で今日こちらに……あ、来たみたいッスね」
空から蓬莱家の人達が降りてくる
天月ちゃんが乗ってるであろう籠がおりてくる。
が彼女は、姿を見せない
「天月様?」
「月影兄!!!そこに浦原喜助はおるか!!」
「ここにいるっスよ~どうでした?薬の方は」
すると、籠の中から大きな声が聞こえた
「何が痩せるじゃ!!こんなもの飲ませよって!!!!」
「え、ええ?!」
「ったく!!弁償求む!!!」
と籠の中で騒ぐ天月ちゃん
「天月ちゃん、どうしたの?」
「その声は……ポインティか!?」
「あ、うん、覚えててくれたのね」
「聞け!そいつが作った薬を飲んだら……」
と御簾をあげる。
以前の天月ちゃんと変わり果てた巨漢の姿
「許さぬ!!!浦原!!!」
「いやぁ、どうしちゃったんスか!?」
「ぐぬぬぬぬ…許さん!!」
「あ、天月様、ちゃんと薬を飲む前に儀式は行いましたか?」
蓬莱家の者は蓬莱家以外の者が作った薬を飲む場合、儀式が必要らしい。
それが行われなければ副作用に襲われるのだとか。
「……あ」
「…儀式しなかったんですね。だからそのようなことに……」