第33章 過去編~青葉~
「……そうっスね」
「なによりもポインティの意思が一番だからな!」
「やはり、ポインティに死神の話を持っていくことはやめてください。」
満足そうな顔を作るための筋肉が固まった。一つずつ筋肉の緊張を解いて、そして歩き出した男の背中に向かって声をかけた。
「自分で奴の死神の才能を見抜いたじゃろう。なぜそうなる。」
喜助は何も答えなかった。
「過保護にも程がある。それは鎖ではないか。喜助、霊威が低いということはそれだけ素質が」
「それが問題なんスよ。」
足を一瞬だけ止めて、また歩き始めた。
「……あの子が自ら死神になりたい、と。言ってきたならば、考えてあげなくもないですが。恐らくそれはないです。周りから強く言われでもしないと死神になるとはいいませんよ。だから、あの子には何も言わないでくださいッス。」
これ以上は、と夜一も言葉を紡ぎ出すことはやめた。
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「結局その装置も使うことが無くなったな。」
「え?死神の素質を即座に見出す画期的な発明じゃないですか」
「そう。素質が安易に可視化できるようになるということは、上限を決めてしまうことになる。席官になれないのならばと鍛錬を怠る理由になり得る。霊威はともかく、戦闘技術や霊力を増やすのには鍛錬が必要不可欠。果たして、喜助の発明した機械は必ずしも益となるだろうか。」
「精密検査でわかるんだったら……勿体ない気もするけど」
夜一さんは前のめりになった。
「して、本当に死神になる気はないのか?」
「ええ?」
全くこの人は。自分の意見を押し通したいタイプではないのだが、それだけ私に可能性を見出してくれてるのだと思う。
「お、勘が良いのう。」
暫く黙っているうちに霊圧が近付いてきた。喜助さんだ。
「よぉ喜助~!」
「な、なんすか、この部屋、奇襲でもあったんスか?なんでポインティがいるんッスか!」
「儂が呼んだんじゃよ。死神になるつもりはないかと意思確認をな。」
彼は大きくため息をついた。
「夜一さん、前にも言いましたが……」
「喜助、なにもポインティを無理やり死神にさせようなどとは思うておらん。お主の話ばかりで本人の気持ちを確認しておきたいと思ったのじゃ。」
喜助さんがこちらを見た
「……私はこのままでいいです。」
「そうか!よし……ならば喜助」
「はい」
