第33章 過去編~青葉~
「砕蜂は手厳しいのう!奴のそれも、ただの戯れ事ではないぞ。既に喜助が開発したものが実用化されたものもいくつかあるではないか。」
「それはそうですが……」
「そうなんですか?!?!」
二人は私の方を見て目を丸くした。
「だから、言っただろう、趣味の域を越えていると。」
「喜助さんの作ったものが、役に立っている、ということですよね?すごくないですか?」
「あぁ、そういった才能に尺度があるなら間違いなく一等だろうな!」
また夜一さんは大きく笑った。
「その喜助が作った物の中に『翳すだけで霊威を数値化する機械』というものがあってな。本人曰くまだ精度が甘いらしいのだが、誤差は1〜5程度だろうとのこと。勿論、その性能を試すために、我々も協力した。といっても儂はここで座っていただけだがな!そこでポインティの霊威も見てみようと儂が提案し、調べてみたんだ。」
「勝手に。知らないところで。」
「そしたら、その数値は四。誤差は前後五ほどあったとしても、儂の感覚でも4~6程度と思っておるし、喜助も『この数値に間違いない』と言っていた。」
ええ、と声を漏らした。その機械、壊れてたんじゃない?という言葉を出しかけたが、喜助さんを否定することになるから胸に留めておこう。
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「やはりな。儂の目に狂いは無い。奴は死神としての、否、副隊長以上の潜在能力を持っておるんじゃ。」
黄金色の猫目が満足そうに細く垂れた。
「そうッスね。」
「お主自身も学院卒業時の身体検査では六、そしてその機械では四等だと表示されたんじゃろう。お主もまた高い素質がある。自覚しておらぬわけではなかろう。」
「ええ。」
「死神というのは、戦の中で死する方が多い。されど、彼女は必ず強くなる。お主の心配も杞憂かもしれん。彼女の素質をお主が抑えることもなかろう。真央霊術院に行かせてみるだけでも良いではないか。後方部隊、四番隊に配属されるように卯ノ花隊長に口添えだってしてやらんでもない。尸魂界の大きな力になろう。なによりも彼女のためになると儂は確信しておる。」
夜一はポインティの才を活かしてやりたいと切に思っていた。変化の緩やかな世界で、ただ長く生きていくのは退屈も退屈。多少の危険はあれど、死神としての才があるのだから、それを活かして、職として生きていく方が良いだろう。
