第33章 過去編~青葉~
ある日、私は夜一さんから二番隊隊舎へと呼ばれた。
「喜助さんは?」
「あやつは仕事しておる。」
「ほ~仕事。……夜一さんは仕事……」
しているようには見えないけれど
「ポインティ、お主、喜助から鬼道を教えられておるじゃろ?」
「はい。」
「何番まで使える?」
「確か、五十番までなら詠唱破棄も確実に」
「詠唱破棄!?」
と隣に控えていた砕蜂さんが驚いた
「ふーむ。」
「そんな、ハッタリです!!夜一様に嘘を吐くなんて……!!」
「騒ぐな、砕蜂。……儂に向かってうってくれぬか?」
「いいんですか?」
「構わん。」
「ここで?」
「ここでじゃ。」
「…破道の五十四【廃炎】」
彼女は反鬼相殺で鬼道を御した。
「こ、こんなこと……死神でも隠密機動でも鬼道衆でもない者が……こんなこと……」
「ん~勿体ないのぉ。」
「何がですか?」
「死神になる気はないか?」
「え……?」
「お主も死神になれば良いと、昔はよく言うておったろう。」
「そうですね」
「実はな、喜助に止められたんじゃ。ポインティに死神を薦めるの辞めてくれと。」
喜助さんが?
「ポインティを想う、その気持ちもわからんではないがな」
命をかけさせるようなことはして欲しくない、ということだろうか。
「しかし、ポインティには類稀な才能がある。はっきり言おう。お主の霊子に宿る霊圧濃度は四等霊威以上。つまりは霊威だけを見れば副官以上。」
"霊威" あまり聞きなれない言葉だが、私が過大評価されていることはわかったので、否定を表す仕草をした。
死神になれる素質がある……と言われたら、自惚れと笑われても仕方がないけれども、自覚はある。
しかし、副隊長レベルと言われるのは流石におかしい。そんな素質があるはずないのに。