第33章 過去編~青葉~
「空腹紛れるかわからないけど…これ食べて。」
袋から干し柿を出した
「ええん?」
私は頷いた
「美味しいでしょ?花枯にあるお店の干し柿が美味しいって聞いたから買って帰る途中だったけど、道に迷ってしまって……山歩いてたらキミが虚に襲われてたってわけ。」
「お姉さん、このちかくに住んでるん?」
と貪るように食べてた少年が尋ねた
「ううん。潤林安よ。」
「そこって一地区で治安いいとこやのにわざわざ何でこんなとこまで…」
「干し柿が食べたかったからよ」
「ホンマにそれだけ?」
虚が近付いてきた。
「やばー気付かれたみたい。」
しかしそんなに焦りはなかった
「霊力、感じる……逃げても……むだ……」
洞窟に入ってくる虚、奥へ行っても逃げ場はない
まずは、この男の子は逃がさないと。
「今から一瞬隙を作るから、私のことは構わずボクは逃げて。」
「え?なんで?お姉さんも一緒に逃げようや。」
「一緒に逃げても追いかけっこなだけよ。」
そう言って少年の前に立った
さぁて、うまく出来るかな~
手を前に出す
「縛道の四【這縄】」
上手くいった
虚の動きを封じて洞窟の外へ出る。
「お姉さん、死神なん?」
と驚いたように聞かれた
「違うよ。」
「でも今のって死神の技やろ?」
「そうよ。」
「どういうこと?」
「とりあえず、離れた方がいいわ、早く山を山降りよう。」
さぁ、どっちが早いかな。
もう一発食らわせておくか、
それとも彼を待つか……
少年が私の着物を引っ張る
私はニコッと笑顔を見せた
「来るの遅い~」
虚と私の間に入る死覇装の男性
……喜助さんだ
「全く、任務中に霊圧感じて来てみたら……なんでこんなとこにいるんスか。」
ほら、やっぱり来た。
虚に近付いてから、うっすらと喜助さんの霊力が近づいているのが分かった。
「干し柿買いに来たの。」
「全く、貴女は……」
と呆れたように言った。
「こんなもの、解いてやる……!」
「ここは僕に任せて、ポインティはすぐにその子と離れて!」
「はーい。もう大丈夫、行こか。」
山を降りて人通りの多い所に出た