第33章 過去編~青葉~
「あのときは病に侵されて夢現な状態が続いていたころだったから、わたしが最後に友達が欲しくて見た幻覚ですね。」
「不思議なこともあるのう。」
「今は、身体もこうして元気ですし!喜助兄に助けられて今こうして夜一さんとも仲良くしてもらっています。だからそんな幻覚みることはないですよ!」
喜助兄が今にも泣きそうな顔で、私を見ていた。
「幼いながらに…様々な想いをしていたのだと思うと…込み上げるものが……」
「大丈夫ですって!あんまり覚えてないんですよ!」
「この世界で、良い思い出を増やしていってくださいね」
「わかってるよ〜もう〜泣かないで!」
宴会は終了し、私は四楓院家の従者に見送られて家に帰った。
私は現世への未練が全くない。
成仏したとはいえ、懐かしむ気持ちがある人もいる。私には無い。
現在の現世には興味があるが、過去の自分への未練がない。
上手く成仏ができてよかった。
あの頃に読んでいた、源氏物語や枕草子、蜻蛉日記や古今和歌集などの記憶はあるし、書物を読みたいと思うことはある。
「不思議な感覚ね」
独り言は誰にも聞かれるでもなく、宙へ消えてしまった