第33章 過去編~青葉~
「夜一、すまんな来客の対応中に」
「空鶴か、入れ入れ」
空鶴と呼ばれた女性は志波空鶴。彼女が室内に入ってきた
「なんだ、来客と聞いたが、ポインティのことか。」
「お久しぶりです、空鶴さん」
夜一さんの紹介で何度か会ったことがある。明朗快活で真っ直ぐな人だ。
「話には聞いていたが、随分と成長したな。前に会ったことから…5つ程、歳を重ねたように見える。」
「ちょうど儂らがポインティと会った時くらいにまでは成長しておるな。」
喜助さんも夜一さんも、すっかり「お兄さんとお姉さん」になった。私も同じように成長していっている。
「真央霊術院には通わないのか?」
「今はあまり考えてないですが……」
「儂は家のこともあって、その年の頃には通っておったが、ポインティは急ぐことはない。筋肉や骨の発達が始まる頃までは待っていた方が、為になろう。」
「確かに、霊圧があっても体が弱いんじゃ卒業もできねぇな。」
「しっかり食って寝て身体を動かせよ、ポインティ。」
「ま、なによりも本人の気持ちが大事だからな!」
死神になることは考えてはいないが、という言葉をここでも飲み込んだ。先程夜一さんから言われた人間関係を円滑にするためのテクニックだ。
「ということで、例の件の叔父貴からの文だ。夜一の父親が暫く表に出ないと聞いていたからな。」
「儂が責任をもって預かっておこう。三家の方にも儂から伝えておこう。」
「助かるぜ。朽木は話せばわかるが、綱彌代とは反りが合わない。」
「お家騒動で気が立っておるからな。」
「まぁそういうことで、あとは頼んでおく。すまない、邪魔をしたな。」
「いえいえ、私も話を聞いてしまってよかったのか。」
「困るもんでもねぇな。ま、こんどまた志波家にも遊びに来な。夕四郎とは正反対の、可愛くもなければでかくてうるさい弟がいるが、暇つぶしにはなる。歓迎するぜ。」
「岩鷲はポインティよりかなり上だぞ、可愛い赤子を想像してはならん。」
「邪魔したな。」
颯爽と出ていった志波空鶴さんを見送って、パチっと手を叩いた。
「おそいのう!!!!喜助のやつ!!!!」