第30章 いるべき場所
「ポインティサン……貴女の前から何も告げずにいなくなってしまってすいませんでした。いや、謝って許されることでは無いッスよね。」
彼が100年以上もの間、私の前から姿を消したことを悔やみ続けている、彼が私のことで長い長い間苦しんでいる、それは私にとって耐え難い程苦しいものだ。
「アタシが貴方の前から消えた理由はもうご存知の通りです。」
過去について触れることはそれなりの覚悟があったのだろう。
なんて言えば彼にとって最善なのか
「もう謝らないでください。」
「…それだけじゃない、アタシが崩玉を作らなければアタシ達は尸魂界で暮らせていたかもしれない。ポインティサンが傷つかなくても良かったかもしれない。」
初めて聞く浦原さんの本心。
彼は今回の件や100年前の件で自責の念に駆られている。
この戦いは彼の戦いに終止符を打つものでもあるんだ。
「崩玉を作ったこと、後悔してますか」
「…後悔だらけッスよ。」
「藍染はいずれ自分の力で崩玉を完成させたと思います。遅かれ早かれこうなる運命だった。それに、崩玉って悪いことだらけじゃないんですよ。」
浦原さんの瞳が私を捉える
「……浦原さん、崩玉の本当の力のこと知ってますか。」
「本当の力ッスか?」
「崩玉は死神と虚の境を超える物ではないんです。」
浦原さんが言葉をつまらせる
「崩玉は周囲の者の心を汲み取り具象化する力を持つんですって。」
「……」
「ルキアの義骸に入ってる間、織姫さんとチャドさんの心を汲み取った崩玉は2人に力を与えた。…よく考えてください。素質があったにせよ、普通の人間があんな特異な能力を持つはずがないでしょ。彼らの力は崩玉によって開花したんです。」
「やはり、そうか、」
妙に納得したような表情をしている。
私は浦原さんの瞳を見た
「私が蓮美ポインティそのままに転生したのも崩玉のお陰なんです。」
浦原さんは何かを察したような顔をした
「浦原さん、ずーっと私のこと想っててくれたんですね。だから崩玉がそれを叶えたんです。」
浦原さんは溜め息をついた
そして私を離すと帽子で顔を隠した