第30章 いるべき場所
彼が自ら過去について触れてきた。
それによってまた蓮美としての記憶が蘇る。
浦原さんが私の記憶の箱を開ける鍵を持っているようだ。
それもそうだろう。
私の記憶のほとんどに彼がいる。
--------------
「今、大事な時期で……なかなか帰れなくてすいません。」
「喜助さん、研究もいいけど、休んでね?」
久しぶりに帰って来たと思えばまだ日が昇ってない頃に仕事へ戻ると言う喜助さんを送り出す
「いってらっしゃい」
と言うが、喜助さんは私を見つめたまま動かない。
「…一段落したら伝えたいことがあります。」
真剣な眼差しにどきっとくる。
「伝えたいこと?今じゃ駄目?」
「次帰ってきた時に。」
「うん、じゃあ早く帰ってきてね。……ほら、遅くなったらひよ里にまたキックされるよ。」
「そうッスね~じゃあそろそろ行きますか。いってきます」
「いってらっしゃい」
それから彼を見る事は無かった。
数日後
「真央霊術院での講義は暫く中止ってどういう事ですか」
「詳しいことは……申し訳ございません。」
一方的にそう伝えられた。
真央霊術院での講義が中止ということは喜助さんや知り合いの死神の方がいなければ、瀞霊廷に入ることも出来ない。瀞霊廷で何があったか自ら確認する術がなかった。
その夜
大きな霊圧を感じ外に出た
「…京楽隊長?!」
瀞霊廷へ出かけた時、お茶会にご一緒させてもらってからとても私に良くしてくれている。
「久しぶりだね。ポインティちゃん。」
「どうして流魂街に隊長が……?」
「ポインティちゃんに伝えなきゃならないことがあってねぇ。本当は別の死神が派遣されることになってたんだけど、無理言って僕が来たんだ。」
「真央霊術院のことならもう聞きましたが……」
「…それに少し関係あるかもしれないね。回りくどいのは嫌だから単刀直入に言うよ……十二番隊 隊長 浦原喜助は尸魂界を追放された。」