第30章 いるべき場所
「泣いてるんですか……?」
「いえ、泣いてませんよ……」
「立場が逆転してるじゃないですか…」
そう言うとギュッと力強く抱きしめられる。
まるで私の存在を確認するように
ギン隊長、
答えが出ました。
私は私
崩玉が私を現世に転生させた。
喜助さんの想いを、私の想いを具象化した結果だ。
そういうことならば
私は過去も今も全て受け入れよう。
愛しい人の腕の中にいられる幸せ
それは恐怖や悲しみさえも包んでくれる。
私は彼の背中に手を回した
「アタシはアタシを許す事はできません。ポインティサンに辛い思いをさせてばかりだ。」
彼のこの気持ち、ちゃんと受け止めるべきだ
私が彼を救う方法はこれしかない。
「こうしましょう。私はまだ記憶が全て戻ったわけでなくって、靄がかかったようにしか思い出せてないんです。そのせいか他人事のような気がして、まだ浦原さんの話を聞くべきではないとそう思います。だから、その時が来たら浦原さんの気持ち、そして"私"の気持ちをぶつけ合いましょう?そっちの方がお互いにとって良い気がします。」
そう言うと扇子で口元を隠した
「貴女の気持ちッスか~聞くの怖いッスねぇ~」
と飄々と言ってみせる
「あ、じゃあ一つだけいいですか?」
「なんすか?」
「喜助さん、老けましたね。」
真っ先にそのことを思った自分もどうかと思うが
「えーーーひどいじゃぁないっスか?あんまり変わってないっスよ~?」
「老けましたよ~まぁ私が若くなったのもありますけど~」
「そうッス、ポインティサンが若くなりすぎなんですよ!」
「この戦いが終ったら浦原さんもゆっくり出来るでしょ?だから絶対勝ちましょ。ね?」
「じゃ~アタシもいつまでもポインティサンばっかに構ってられないッス。」
「ほんとですよ、私も復帰しなきゃ。」
喜助さんは研究室へと入っていった、私は全快の為に身体を休めた。