第30章 いるべき場所
「ポインティサン……」
ポインティサンは暫くしてからそのまま眠ってしまった。
「ポインティとは話せたか?」
「いいえ……」
廊下に出ると猫の姿の夜一さんが話しかけてきた
「そうか。」
「ずっと泣いてました。……アタシに嫌われるのが怖いと言って。」
「嫌われるじゃと?」
「はい。」
「虚圏で何かあったんじゃな。」
「恐らく、"支配"されてたんでしょう。洗脳といえば簡単ッスけど、実際はそんなもんじゃ片付けられない……」
「あの太股の番号も支配の印だったんじゃろうな…ポインティはまだ子どもじゃ。……本当は親の所に返すべきじゃろうが…」
「かえって心配させまいと無理するでしょう…本人の意思次第ですけど」
「そうなればポインティの傷を癒せるのはお主だけじゃ」
「アタシにできますかね……」
「何を言う。喜助にしか出来んことだ。」
「アタシ、ポインティサンを泣かせてばかりなんスよ?」
すこし自虐的に笑って見せた
「せいぜい100年前の事くらいじゃろう」
「それ、かなり大きいことじゃぁないっスか?」
「カウントとしては1じゃ。他になにかあるのか?」
「崩玉を作ったこと、……ポインティサンだけじゃない。井上さん、朽木さん、平子さんはじめ仮面の軍勢の方々。夜一さんやテッサイさん、虚圏へ向かった黒崎さん、茶渡さん、石田さん、尸魂界の方々…どれもこれも皆アタシの作ったアレのせいで……」
「作ってしまったもんは仕方がなかろう。そこを悔やんでも仕方が無い。」
「悔やみますよ、全ての元凶はアタシなんスから……いっそもう皆に責められた方が」
「愚かじゃ、本当に愚かじゃのう。喜助。」
「え」
「お主は100年もの間苦しんだ。崩玉についても、現世で生活する苦しさも、愛する人を置き去りにした悲しさも。それで充分じゃろ。誰もお主を咎めたりせん。」
「せめて、ポインティサンには一発殴られないと気が済まないッス。」
「ならばお主がポインティを癒してやらねばならぬな。」
「……そうッスね」