第30章 いるべき場所
目が覚める
時間は皆が寝静まった頃か。
音がしない。
現世に帰ってきた安心感と共に再び背徳感に襲われる。
藍染……あの人による精神的支配は成功しているようだ。
彼が頭から離れない、そして私に悔しさ悲しさ苦しさなどの感情を想起させる。
こんなことで涙が出るなんて
やはりまだ何も私は成長してない。
霊力は高いかもしれない
だけどこんなに心が脆いなんて隊長失格だ。
「目が覚めたか。どうじゃ気分は。」
人間の姿の夜一さんが部屋に入ってきた
「………」
「……泣いておったのか。」
「…一人でいると……虚圏でのこと思い出して……」
そこから先の言葉は出ない
「辛かったな、何もしてやれなくてすまなかった」
と背中を摩ってくれる
「悔しいです…浦原さんに会いたかったのに、顔を合わせるのが申し訳なくて……あたし、浦原さんを裏切るようなこと……」
「お主は、喜助に会いたかったのか」
「……はい」
夜一さんは次の言葉に迷っているようだった。
「藍染はそれもわかっていました。だから全て思うつぼで…あの人が私を虚圏に連れてきたのは私の精神を崩壊させた上で、この手で浦原さんを戦力外にさせることが目的だったのだと思います。私の心が弱いばかり…わかっててもどうにもならなくて……」
ぽつりぽつりと言葉を紡ぐ
夜一さんはうん、うんと私の言葉を聞いた。
私が落ち着くと夜一さんがゆっくり言葉を開いた
「お主が虚圏でどんな思いをしたのか安易に想像できん。だが、これだけは言える。自分を責めることは違うだろう?今は辛いじゃろうが、いつまでもそのままでお主は良いのか?藍染に負けたままで良いのか。」
私は首を振った
「その気持ちがあればいいんじゃ。……安心せぇ。喜助はお主を嫌いになったりせんよ。喜助を裏切ったなどと自分を責めるようであればそれは無駄な事じゃ。兎に角、お主は身と心を休むこと。良いな?」
私は頷いた