第4章 Prologue:始解
酸素が無いため呼吸ができない。
否、この状態で呼吸をすれば死に至る。
移動し、真珠の硬度を測る時間も無い。
極力強い鬼道で壊す他道は無さそうだ。
詠唱ができない今、最も技の威力が強い鬼道は……
手をかざす。
拳から光が出て真珠を粉砕した。
すぐさま霊子の空間から出た。
「ハァハァ……ハァ」
「すごーい!今のなんて技?」
「飛竜撃賊震天雷砲。破道の八十八の技よ。」
「八十番台詠唱破棄でこの威力ってやばーい!!」
「約束です。貴女にわたくしの力を授けましょう。ですがまだ貴女を主と認めた訳ではありません。鍛錬し、わたくしの主に相応しい死神となってください。」
「ありがとう、水月。」
「ところで、あの筒みたいな霊子の結界なんなの?」
「あれは私の体内にある霊子で空間を埋めて霊子だけの空間を作ったの。」
その空間に花月を突き刺した。
花月が霊子を吸収し、私の体内へと戻す。
「霊子、ってことは技の威力も上がるの?」
「厳密には自分から出た霊子だから上がることはないかな。無酸素だから呼吸もできないし。いつかなにかに応用できたらいいかなって思うの」
「ポインティはほんとに霊力扱うの上手だね~」
私たちは水月を後にして炎月の元へ行った。
「炎月~!」
「どうやら水月が負けたみたいだな。風月。」
「はい?」
「こっち来い」
風月が炎月のところへ行くと
私を中心に黒い炎が現れ包んだ。
「ちょ!炎月!ポインティが!!」
「構わん。ポインティ!お前がもし、俺の力を扱いたいならそこから出てみろ。」
熱い。本物の炎だ。
「ポインティ!水月だよ!水月!水使いな~!!」
風花が叫んでいる。
「ちょっと!風花!いないと思ったら……!!」
「秋風!!なんでここに!?」
「俺が呼んだ。」
「炎月が!?」
「ほら、邪魔になるから帰るよ!」
「あぁっ秋風やめ!!…こうなったら風の名において守護せ」
「そうはさせないっ!」
炎がぐらっと揺れた
「てめぇら!姉弟喧嘩なら他所でやれ!!」
暫くすると声が聞こえなくなった。
「守護せよ、水月」
透明の刃の中にマリンブルーの深海が写る、美しい刀身だ。
「綺麗……」
水月を天に翳す
水の膜が私を包んだ。それを脹らませていく。
しかし水に当たっても炎は消えない