第26章 服従
扉の向こうから聞こえるやり取り。
「こちらへ来なさい」
「やはり髪はおろしていた方がいいな。」
「怯える必要はない、ただ私に身体を預けなさい。」
暫くの間、言葉が途絶えた。
あぁ、きっといまは、
ごめんな、ごめんな、と、何度も心で叫ぶ。
ボクはあのときの干し柿の男の子のまんまや。
なんもできへん、無力さが歯がゆい。
この扉を壊して、この斬魄刀で、すぐにでもー
恐怖、羞恥、悔しさで涙が零れる
泣けばなくほど、呼吸ができなくなり、意に反する声が室内に響いた。
私を支配するこの男は、この涙の理由を理解していた。
自らに対する恐怖、堕ちていく己に対する恐怖、そして絶望。
全て狙ったものだった。
室内から言葉が消えた代わりに、言葉ともとれない声が漏れている。僅かに聞こえてくるその声は、室内で何が行われているのかの答えになるものだった。
扉の前に立った男は葛藤した。
藍染に反旗を翻すのは今ではないのは明白。
長い間、時間をかけてゆっくりとここまで来た。
だけど、ポインティちゃんを、ボクが憧れて、姉のように慕ったあの人の光を、あんな男に、
大切な人の光を奪われたくない。
「本当に君は愛らしいよ。」
「君のすべてを、私に捧げなさい。」
奪わせてたまるか、