第24章 月下の檻
藍染は私の顎から頬に手を置いた。
「私はもう護廷の隊長ではないのだ。隊長などと呼ばれると、破面達の統率の妨げになる。虚圏、引いては三界を統べる者へ敬意を込めなさい。君はもう私の配下なのだから。」
そう言って私の唇をまた親指でなぞった
「かしこまりました……藍染様。」
"藍染様"
その言葉は私が藍染の下についたことを明確に意識させるのには充分だった
私は私ではない。
この人の所有物になったんだ、と
「良い子だ。ポインティ。」
低い声で名前を呼ばれ、何かの暗示のように動けなくなった。それを見て満足した表情で、割れ物を扱うようにゆっくり、優しく私の頭を撫でた。
藍染が退出したあと、腰が抜けたように座り込んだ。
部屋の隅で全貌を見ていたギン隊長がゆっくり私の所へやって来る。
「あ~ぁ、さっき、ポインティちゃんの部屋に長居しすぎたんかな~。藍染隊長あんなん見せつけんでも。」
鬼道でなにかされたのではないかと思うほどに身体が重い
「立てる?」
そう言って差し出された手は借りずに立ち上がった。
自分の部屋に入り、ソファへと誘導された。
「現世の紅茶があるからそれ持って来たるわ。」
戦いの恐怖、死の恐怖とは違う恐ろしさ
殺意の無い相手は苦手だ
藍染は私の敵だ。
だけど藍染は私を殺そうなどとはしない
もしもの時、私は藍染を攻撃することは出来るのだろうか。
一瞬でも殺意を見せてくれたら…
でも藍染は一度たりとも殺意を見せた事はない
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瀞霊廷内にいたギンを捕まえた
「あ、ギン!ちょうど貴方に会いたかったの!時間ある?」
「ちょうど暇やで~どないしたん?」
「花枯の干柿!喜助さんが買ってきてくれたからギンにもおすそわけ!」
「ありがとう~」
「仕事忙しいの?」
「ぼちぼちやなぁ~」
「まだ若いのにそんなおっさんみたいなこと言って……」
ギンはふと私の奥に視線を移した
振り返ると藍染副隊長が歩いてきていた
「この霊圧って藍染副隊長だったのね……」
にこっと藍染副隊長は私に微笑むとギンを見た
「このお嬢さんはギンの知り合いかい?」