第24章 月下の檻
まだ乱菊と会う前のこと。
空腹に耐えられず、山で食べられそうなもの探しているときに
虚と遭遇してしまった。
まだ力のないボクは何もすることができへん。
「霊力が高ィ……ウマソウ…」
「こっちよ。」
木の影から出てきた女性というには若い女の子が手を引っ張って一緒に逃げてくれた。
でもその人も死神でもなんでもない、虚を倒す術なんてなかった。
とりあえず近くの洞窟に隠れて難を逃れた
「大丈夫、こうしていたら助けが来るよ。」
「お姉さん、なんでボクのこと助けたん?」
「なんでって、目の前で虚に襲われてるのに見捨てるわけにはいかないでしょ?」
ぐぅぅ、と腹の虫が鳴る
「お腹空いてるん?」
「……うん。」
「空腹紛れるかわからないけど…これ食べて。」
袋から出したのは干し柿だった
「ええん?」
一口頬張ると、甘みが口の中に広がってこんなに美味しい食べ物があったんやと感動してしまうくらいのものやった
「美味しいでしょ?【花枯】にあるお店の干し柿が美味しいって聞いたから買って帰る途中だったけど、道に迷ってしまって……山歩いてたらキミが虚に襲われてたってわけ。」
「お姉さん、この近くに住んでるん?」
「ううん。【潤林安】よ。」
「そこって一地区で治安いいとこやのにわざわざ何でこんなとこまで…」
「干し柿が食べたかったからよ」
「ホンマにそれだけ?」
「やばー気付かれたみたい。」
「霊力、感じる……逃げても……むだ……」
洞窟に入ってくる虚、奥へ行っても逃げ場はない
「今から一瞬隙を作るから、私のことは構わずボクは逃げて。」
「え?なんで?お姉さんも一緒に逃げようや。」
「一緒に逃げても追いかけっこなだけよ。」
そう言ってボクの前に立った
「縛道の四【這縄】」
彼女は鬼道使って虚を拘束した。
その隙に外へ出る。
「お姉さん、死神なん?」
「違うよ。」
「でも今のって死神の技やろ?」
「そうよ。」
「どういうこと?」
「とりあえず、離れた方がいいわ、早く山を山降りよう。」
すると虚とボクらの前にまた人が増えた
「来るの遅い~」
「全く、任務中に霊圧感じて来てみたら……なんでこんなとこにいるんスか。」
死覇装を着た若い男だ。