第21章 藍染の思惑と記憶のノイズ
彼の話したいことは全て話せたようだ。
沈黙が続く。
崩玉を御するための鬼道ってどんなものなのだろう。
「もし、私が崩玉を悪用しようとしたらどうしますか。」
お茶をすすりながら、変なことを聞くっスね。と答えた。
「もしそんなことがあれば……それが尸魂界やこの世界を脅かすことであれば、貴女を敵と見なすことでしょうね。」
「私が完全に崩玉と融合したら、簡単には倒せなくなるんじゃないですか。」
「そうでしょうね。」
「私に打ち込む鬼道に細工してください。」
貴方ならできるはず、とじっと目を見た。
「そう見つめないでください。……貴女の言わんとしてることは分かります。保険をかけて欲しいんスよね。」
私が崩玉を悪用した場合に、止める手立てを。
「この先、何があるか分からないですから、もし崩玉を悪用しようとしたときに、止められるようにしてください。形はなんでも構いません。」
「それが貴女の意志ならば聞かない訳にはいきません。わかりました。そういうのも視野にいれておきましょう。」
「ありがとうございます。」
それから崩玉の調子について語った。
彼は閉じた扇子を肩にパタパタ当てた。
「崩玉は死神と虚の境を崩すものです。つまり、自らが虚へと近付くこと。アナタや藍染の虚化は根本的には虚の因子を魂魄に植え付けた"仮面の軍勢"とは少々異なります。」
「私の中にいる虚、直子さんも同じようなこと言ってた。『私はあなたの魂魄を虚に近付けたから生まれた存在』だって。でも、私の虚化は平子さんや一護のと似てる気がする。」
「崩玉をそのように使用したことがないので、言い切ることもできませんが、人によって力の顕され方が異なるのかもしれません。」
「御することが出来れば、画期的な代物ですね。」
「いいえ、あれは生み出してはいけないものだった。」
「直子さんは、思うほど悪いものでは無い。いつか力になるものだ、って言ってましたよ。唆されただけかもしれませんけど。」
「……なにか変化あればすぐ教えてください。アタシは一足先に自室に戻ります。」
彼が出たあとに大きくため息をついた。
目の前の課題が山積みで、目を覆いたくなる