第21章 藍染の思惑と記憶のノイズ
「あ…な、なんか重要そうなお話だからあたし席外しとくね!」
織姫が玄関へ向かうと呼び止められた
「現世にいる以上御主ら人間にも関係の有る話じゃ。聞いていきなさい」
「…はい」
織姫さんはモニターに向き直した
「藍染が起臥しておった五番隊隊首室、そして潜伏しておった四十六室地下議事堂、清浄塔居林及び大霊書回廊の捜査が続いておるのは知っておるな?中々に難儀しておるよ 何せ大半が禁踏区域じゃ。隊長格ですら内部を知る者は殆どおらんのじゃからの」
「…前置きはいいっす。本題を」
「そうじゃの…大霊書回廊の捜査を担当しておった浮竹が先日その中で妙な痕跡を発見した。崩玉とそれに付随する研究資料にのみついてった既読記録が一度だけ、藍染の消える二日前に崩玉とは全く無関係な書物についておったのじゃ」
「何についての書物ですか?」
「“王鍵”」
そこにいるその物を知っている者は言葉を失った
「あの、王鍵…って何ですか?」
織姫は乱菊に尋ねた
「“王家の鍵”よ 文字通りね…尸魂界にも王家ってのがいるのよ。 王っていっても尸魂界のことは四十六室に任せっきりで一切干渉してこないから実感ないし実際あたしも隊長も直接見たことは一度もないんだけどね」
「然様…王は名を“霊王”と言い尸魂界にあって象徴的でありながら絶対的な存在…
その王宮は尸魂界の中の更に別の空間に存在し、王属特務が守護しておる」
王族特務、"零番隊"
「“王鍵”とはその王宮へと続く空間を開く鍵じゃ」
「それじゃぁ藍染…さんはその王様を」
「殺す…それが奴の目的じゃろう。じゃが問題は其処では無い」
「…藍染が見たのは“王鍵”の在り処を記した本ではない 」
「在り処ではないということは、作り方でしょうか?」
「ポインティが言った通りじゃ。“王鍵”の所在は代々十三隊総隊長にのみ口伝で伝えられる。故にその所在を記した本なぞ存在せん…奴が見たのは“王鍵”が創られた当時の様子を記した文献、奴が知ったのは“王鍵の創生法”じゃ」
「創生法…」
と冬獅郎が呟く
「問題なのはその“材料”じゃ。王鍵の創生に必要なのは十万の魂魄と半径一霊里に及ぶ重霊地」
「十万の魂魄!?」
「じゃが御主らに関わりがあるのは魂魄だけではない」