第16章 自分に勝つ
「……ポインティサン?」
「…」
何だろう、何故か色々な感情が溢れ出てくる。
嬉しい様な、悲しい様な、辛い様な、寂しい様な、そして愛しさ、多種多様な感情が湧き水の如く溢れていっぱいいっぱいになった。
人間は処理能力を越える程のたくさんの感情が溢れた時、身体の震え、呼吸困難、涙などの身体症状、そして強制的に意識を途絶えさせることもある。
ぽろぽろと出てくる涙を拭うこともなく、一点をみつめた。
私のものじゃないような、私の中に誰かいるんじゃないかとそんな感覚に陥った。
これは"同族"を殺した私の中にいる虚の感情とでもいうのか?いやまさか、彼らは共食いもする。その上こんなに感情豊かなわけない。
ーーもしくは別の
私はこの時、何かを呟いていたらしいが完全に無意識だった。
「……ポインティサン。もう大丈夫です。大丈夫です。」
優しい、安定感のある声にはっと我に返る
…浦原さんに背中をさすられていた。
「…っ」
涙が溢れて止められない
「すい ません…な…みだ、なんで、」
「無闇に止めるもんじゃ無いっス。きっと疲れているんでしょう。」
暫くそのまま泣いて少し落ち着いて涙の量が減ると、抱えられるようにしてそのまま家に帰った。
私を居間に座らせたあと、自分の布団を居間に敷いて、私の使っている布団をそっと部屋から取り出し自室に敷いた。
さっきより落ち着いたものの泣き止む様子が無いため、リンと部屋を離してくれた。
「今日はアタシの部屋使ってください。」
私は言葉がでそうにないのでお辞儀をした。
「何かあれば、居間にいるので。」
そう言って扉を閉めた。
やはり、虚が私を飲み込もうとしてるのかな?
虚…
明日、平子さんたちの所へ行こう。
まだ寝起きの状態だとしても、早いに越したことはない。