第14章 嵐の後
私は細かく説明した。
「つまり、アナタは一度崩玉を体内に取り込んだと。そして今も尚一部が残っている……」
「私から抜き取った崩玉は確かに2回りほど小さくなっていました。貴方が発明した魂魄から崩玉を取り出す…装置?を2回使った為なのか、崩玉と私の魂魄が融合したからかわかりませんが。」
「どちらも可能性ありますね。あの装置は2回の連続使用を想定したものではありません。しかし、」
浦原さんは腕を組んだ。
「崩玉には防壁を張ってたんッス。どうして融合するようなことが……」
輝く石とそれを囲む透明の箱、あれが防壁だったという。
「魂魄との融合を防ぐもので簡単に壊せるものではないのですが。朽木さんには影響がなかった、ということは、生きている人間の魂魄にあの防壁は機能しないのか……?それについては後で考えましょう。まずはアナタの中の崩玉をどうするかが先決だ。崩玉と融合した以上、あの装置を使っても取り出すことは困難です。」
「そうなんですか。」
「……崩玉は死神を虚化させてしまう。実際に藍染は死神を虚化させてしまったこともあります。」
この人のことを調べた時に隊長格が虚化した事件を知った。
「私もそうなってしまうのでしょうか。」
「……可能性はあります。いや、もしかしたらもう既にその兆候があるのでは?」
「関係があるかわかりませんが、虚の気配が纏わり付いてる気がして。」
「それが兆しであるとは断言出来ませんが、アナタも虚化してしまう可能性があることを心得ていた方が良いでしょう。」
「わかりました。」
「冷静ですね。」
「慌てたって仕方ないですよ。」
「ほんとに14歳ですか?」
「13歳です。」
「これは失敬。……アタシも対策は練ります。安心してください。アナタの中にある崩玉は不完全なものです。明日明後日どうこうの問題ではありません。ですが、崩玉は成長します。必ずその時がくることを肝に銘じていてください。」
「また来ます。」
「いつでもどうぞ。」
私は我が家に帰った。
「…あの女子にそっくりな子じゃな。」
猫の姿をした夜一が浦原に声をかける。
「はて、何のことっスか?」
「惚けても無駄じゃ。あの霊圧と言い……何もかもが」
「夜一さん、その話は止しましょう。」
浦原喜助は帽子を深く被り店内の奥へと消えていった