第65章 千年血戦篇
「天国にいくんじゃない?君、そう言ったよ?」
「俺、別にキリシタンちゃうし」
「そしたら、極楽浄土?」
「所謂、魂が流れ着く場所ってあるんかな。親が医者ってのもあって、小さい頃からよくそんなこと考えてた。でも、そんな話、同級生にしたら気持ち悪がられるし」
「私にしても大丈夫だとおもった?」
「おう、特に、今日のポインティなら。」
「……いつもと変わらないよ」
「今日、落ち着いてる感じがする。普段のポインティとは別人みたい。」
「鋭いなぁ」
「え?」
「で、死後の世界に興味があるんだね、君は」
「みんな気になってるんちゃう?」
「そうじゃなければ、この世に多様な宗教は生まれてないよね。君は、どんな所だったらいいと思う?」
「俺は、この海のような所で穏やかに漂っていたいけどね。死んだあとくらい穏やかな時間を過ごしたい。」
「高齢者みたいなこと言うやん」
「そういうポインティは?」
「肉体の死を迎えたあとは……仕事一筋かな。」
「え?獄卒にでもなるのか?」
「獄卒は地獄の方でしょ」
「なんやこの話題」
2人して笑いあった。そして、バスの時間を見計らって帰ることにした。
「俺も同じバスに乗って帰ろうかな。途中で降りるけど。」
「そう?そしたら、窓側座るね」
「隣いいん?」
そうして、狭い2人がけの椅子に座った。彼の好きな音楽、私の好きな音楽、ひそひそ声で会話した。
「俺、次降りるわ。今日はありがとう、楽しかった。なんかいつものポインティと違う気がしたけど。」
「私も楽しかったよ。ありがとう。今日、わかった。君は人の事をよく観察できるから、いい医者になれるよ。」
「そうなれるように、勉強しないとな」
シンプルに彼のこと、応援したいと思った
「一つだけ、覚えておいて欲しい言葉があるんだけど」
「言葉?」
「尸魂界、って言葉。」
「魂の社会?なんだそれ、死後の世界の話か?」
「いつかの答え合わせになると思う。そのとき、私の事思い出してくれたら嬉しいな。」
彼は不思議そうな顔をしたがすぐに頷いた。 そして、バス停で降りていって、外から私に手を大きく振った。