第65章 千年血戦篇
「ポインティに世界の運命的なの背負わせるわけにはいかんて」
「私一人が背負ってるわけじゃないよ。」
「空座町の兄ちゃんはなんて?」
「喜助さんのこと?」
「ポインティのこと、大切に思っている人やって、ささこから聞いてる。彼やったら、ポインティが危険な目に遭うようなことは避けさせるんちゃうん?」
「彼も護廷十三隊に協力してる。私とは個人的には連絡をとっていないかな。」
零番隊が降りてきた時に、喜助さんが虚圏からオンライン中継をしてきたが、私に対して特別な何かはなかった。
そういえば、グリムジョー・ジャガージャックの声がしたなあ。彼、生きてたのか。うわ、嫌なこと思い出すから、深く考えないでおこう。
「ポインティに何かあったらどうするん?」
お弁当の卵焼きを食べた。しょっぱいけど、出汁の味が香った。出来たてだったらもっと美味しいのだろうが、久しぶりの母の料理に胸が熱くなった。
「この世界が守られても、ポインティがおらんかったら意味ないんやで。家族も悲しむわ。」
「お母さん達は……知らないから。肉体はこっちに置いていくし、ささこ、お母さん達のことお願いね」
「私は義魂丸です。自分の意思で動くことができる体は、喉から手が出るほど欲しいものです。しかし、体の主の命令には逆らえないようにプログラミングはされています。だから、望まれるのならば成り代わって、人間としての無難な生活を送り、死にゆきます。けれども、私は寂しいです。」
「寂しい、か。」
七海!と、遠くで呼ぶのは剣道部の先輩だ。手招きされて、彼女は走って向かっていった。
「……ささこ、後はあげる」
「卵焼きしか食べてないじゃないですか。」
「食事が喉を通らないの。」
「卵焼き以外は冷食ですが、ママ様が愛情込めて作ってくれているお弁当ですよ。……頂戴します。」
七海は私との重い会話のせいで表情が硬かった。しかし、先輩と話しているうちにそれが和らいで、話が盛り上がっているようだ。
「じゃあ、今度の出稽古の後、昼から映画ね」
「七海〜お金は持って来なよ〜?」
「先輩!どんだけ根に持つんですか!ちゃんとお返ししたじゃないですか!」
「掛かり稽古でくたびれたから帰るは無しやで!」
「先輩が1番体力ないじゃないですか!」