第65章 千年血戦篇
「どうだった?」
お弁当を持って中庭のベンチに座っていた七海のもとに駆け寄ると、彼女は手を振りながら面談の話を持ち出した。
「無難に文系私大に行くんだと思う……けど、そんなに勉強できてないし、できるのかなぁ。というか、それ以前の話で、尸魂界がやばいから……」
「尸魂界どうしちゃったんですか?」
ささこが足元にいた。彼女を間に座らせて話を続けた。
「……滅却師ていう死神の敵対勢力が攻めてきてさ。瀞霊廷の被害は大、死神の犠牲者は軽く4桁を超えていく勢いよ。」
「そんな状態でよく戻られましたね!?」
「京楽総隊長が、帰してくれた。」
「京楽総隊長?総隊長は山本元柳斎重國、あなたの師匠では?」
「……戦死しちゃった。回復の見込みがない隊長格もいるんだって。」
ささこが絶句しているのを見て、七海も口を開いた
「わけがわからないけど、かなりそれマズイ?」
「もし、滅却師が死神を殲滅することがあれば、現世と尸魂界の魂魄の量のバランサーが居なくなること。そうなると、二つの世界の均衡が崩れて、恐ろしいことになるって。」
「そしたら、七海もやばい?」
「相当やばいね。」
「自分、何してんの?はよ帰ってクイーンを倒してきてよ」
「滅却師ですよ。なるほど、滅却師が敵……。いつぞやの敵討ちですか?」
「目的は……わからない。卍解を奪う技術を持ってるから、みんな本気で戦えないんだよ」
「卍解って、必殺技みたいなの?」
「うん。」
「やばいやん」
「そう、やばい。」
七海がミートボールをぱくっと食べた。
「……やばいね」
そして、米を一口。
「ポインティは戦ったん?強かった?」
「私は待機命令が出てたから直接は戦ってはない。でも部下も犠牲になった。」
「死んだ……ってこと?」
「うん……けどわたし、現世に来ちゃった」
「逃げた?」
「というより、気持ちの整理と覚悟のためかな。」
「やっぱり行かなくていいよ」
彼女の言葉に私は小さく頷きながらお弁当箱を開けた。
「行かないでいい。ポインティが痛い思いするところに行く必要ないよ。他の人が戦ってくれるよ」
「だけど、尸魂界としては大きな戦力を失うことになりますよね。」
「ポインティひとりくらい」
「その一人が、大きな力。こう見えて本当に強いんですよ。」
「ささこはべた褒めしてくれてるけど、今は役立たずでさ。」
