第65章 千年血戦篇
しかし、隊長の考えた結界の作戦によって、他の隊に比べたら損害は少ないです。
あの結界は石丸キリちゃんの協力があってのことだ。作戦を考えて練ったのも、東雲四席ら"戦課"。他の隊に比べると、隊員の分母が小さい。
結界を強化したのは隊長です、鬼道班だけでは破られていたかもしれないです。それに水月による幻術のお陰で、有利な状況で戦うことが出来ました。
安全な所からやっていた。みんなこんなに怪我してるのに。
リンの言葉に反発する。
「.......今ここで、隊長の座を賭けた決闘をしてもいいと思いました。」
その声はリンのものではなかった。
「天月ちゃん?」
彼女は蓬莱家の薬を詰所に届ける道中だったらしい。
「天月ちゃん!それはちょっと冗談すぎるよ!」
リンがあわあわと落ち着きを失っている。
「霊圧と崩玉による虚の力、斬魄刀の力だけを単純に見れば勝機はあまり無いかもしれません。しかし、今なら勝てると思います。」
「あ、あ、まつきちゃん、隊長になりたいのー?違うよね?」
「違います」
「だよねだよね」
「しかし、余でも勝てると思います。リンでも。」
「それは!!それは、、」
「……じゃあ、戦うの?」
ここで初めて私は彼女に問いかけた。
「貴方に戦う気があるのなら」
天月ちゃんが薬箱をリンに渡した。
「え、ほんき?天月ちゃん、隊長と決闘をするの?だめだよ、どうしてそんなことになるの!決闘するには手続きだって必要なんだよ!それに、こんなのだめだって!」
「隊長はその羽織を余に譲る気はないですか。」
答えられなかった。私が隊長じゃない方がいいのではないか。隊長として人の命の責任者になること、自分の命も危ないこと、死神で居続ける限り、自分は普通の人間にはなれないこと。
……あれ、私ってどうして死神になったんだっけ。今までどんな気持ちで戦いに向かっていたんだろう。なにがモチベーションになっていたのか。
天月ちゃんは斬魄刀を構えて私に向かってきた。一太刀、二太刀、三、四、何度か刀を合わせた。そして鍔迫り合いの後にお互い距離を取った。