第65章 千年血戦篇
「その羽織に未練が無い人と戦っても無駄ですね。」
そう言って彼女は刀を納めた。
「戦わずして勝敗は目に見えています。」
私だって、わからないよ。どうしたらいいのか、わからない。
「能力が高くても、気持ちが入っていなければ無いも同じ。貴方は気持ちを入れ替えるか、その座を譲るかしなければ、次の戦いで死にます。貴方一人が死ぬ分にはいいでしょう。そんな者が上に立つ隊だったら、隊士はどうなるでしょうか。」
「わかっているよ」
「それは理解です。」
「天月ちゃんの言い分はわかるよ、だけど隊長は大きな戦いに慣れていない。それに現世の時間に生きる人でもあるんだから。」
「それは貴方も同じでしょう。隊長は自分が現世で生きているが故にされている過度な配慮を良くは思っていなかった。今回だって隊舎での待機を言い渡されてもどかしかったのでしょう。それでいながら、今現在、それを理由にこの戦いに向き合いきれていない。余はそう感じています。」
図星すぎて何も言えない。現世の人間だからと過度な配慮を不快に思いながらも、それを理由に都合良く今回の戦いに向き合えていない。向き合っていないわけではないけれど、藍染戦の時には考えなかったことを考えてしまっている。
「隊長を下りた方がいいか、なんて言わないでください。私が尊敬する貴方の姿をこれ以上汚したくない。これからの事はなるべく早めに決断してください。刀を持って応戦できたということは、少しは死神への思いはあるはずなので。」