第65章 千年血戦篇
いつか、先生の左腕になりたいと思った。
「じぃ先生、左腕は治さないのですか?」
「失ったものに固執はせん。」
「頑固にならずにさ〜。織姫さんに頼んでみようか?」
「ポインティが儂の左腕になるのではなかったか。」
「物理的なのは無理だよ。……というか、私を左腕と認めてくれてるの?!」
「自惚れるな、左腕の小指にも満たぬわ。」
「厳しいな。」
「お主には足りぬものがありすぎる。長い時を経て、様々なものを見聞きし経験し、三界を守る者になるのじゃ。」
「じぃ先生……?」
今、この瞬間まで、霊圧を感じていたのに。
鳥肌立つ程の熱く重く刺々しい霊圧を感じていたのに。
どれだけ探っても、探っても、何も感じない。
耳がキンとなるほど沈黙が走った。
「総隊長の……霊圧が……消えた?」
瞬間、警鐘が響いた。
「蜂美鈴六席の傍の結界に小さな穴が!侵入して来ています!」
「花月!」
花月の刀身から一輪の花が咲いた。それを摘み取って水晶の傍に置く。
「結界の強度が増しています。穴が塞がりました!」
その言葉を確認してから、侵入した賊を探し出した。
「卍解【哭沢女命】」
「主の死に血迷ったか!!!」
現世で見たあの黒いものが私を包み込む。それを押し返すように虚閃を放った。
「その仮面……!!くそがァァ!!」
そして、周りにいた雑魚兵は水月の涙と混ざりあった雨により、身体の中の水分を蹂躙されて死んで行った。
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一番隊 東側 黒真珠配置位置
「総隊長が…そんなまさか!」
辺りには倒れた死神もいる。総隊長が敗北した。そのような相手に私は勝てるのか。卍解もなしに……
『……えますか……副隊長、きこえ……か』
懐に入れている鏡の中から聞こえたのは、技術開発局にいるレミリアちゃんの声。
『聞こえています、隊長にも繋げます』
続いて聞こえたのはレンの声。
『石を持っているのは、どちらの副隊長ですか』
「え、あ、あたし!」
『今から映すものを、そちらに送ってください、あとのことはお願いします。』