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第9章 天からの贈り物


『トウェインさんも十分頭おかしいし、立原なんてそれに加えて更に馬鹿なんだけど』

「だからそれ言葉の暴力!!」

「おい、俺の扱いどうなってんだよお前の中で!!」

反応がほぼ一緒だこの二人。
やばい、すっごい面白い。

『中也さんはもっと頭おかしくって、もっともっと誰よりも馬鹿なの』

「蝶、言いたいことはそれだけか?ん?」

『だって中也さん頭おかしいくらいに私の事大好きじゃない』

「……お前の変人の基準ややこしいな」

勿論全ての人をそれを基準にして考えてしまうと、正直関わっている人の殆どがただの変人に思えてならない。
しかしこの人程に変わった人が、これまで関わってきた人の中で、これまで見てきた世界の中で、ただの一人でもいただろうか。

私の言葉に否定の色も見せない中也さんはまた褒めるように撫で付ける。
少し擽ったいのを我慢して嬉しそうにしてみせると、やっぱりこれ邪魔だと言われて、あっさりと猫耳を外されてしまった。

トウェインさんは慌ててそれを回収していたのだけれど、中也さんは知らん顔して私を撫で続ける。

『ねえねえ変な中也さん、なんで私の事こんなにいっぱい撫でてくれるの?普通そんなに撫でる人いないよ』

「その呼び方やめろ、この変人。俺に懐いて擦り寄ってくるお前も大概変だよ、つかそれこそ俺ん中では史上最高級に変人だわ」

『じゃあ中也さん、そんな変人が大好きなんだ?』

「悪い、言い方訂正させてくれ、張り合っただけだ」

それじゃあマジで俺ただの変人になっちまう、と言いながら、私の耳元に口を寄せ、ポソリと小さく口を開いた。

「お前は誰より普通の人間だよ。そんで生きてきた経緯が経緯でちょっと甘えたで寂しがり屋だから、今まで我慢してきた分と頑張ってきた分、全部俺が撫でてやるんだ」

『………ほら…っ、やっぱり変な人…』

少し喉が震えて、中也さんにまた腕を回して、ただただギュッと抱きしめた。

考え方が私基準にも程がある、普通の生き方じゃない私の事を普通に受け入れられるところが、もう普通じゃない。
だけどそんな、おかしな事になっちゃっても私を甘やかす事に執着するこの変な人が、どうしようもなく大好きだった。

……さっき自分で言ったばかりなのに。
私もやっぱり、大概頭がおかしいのかもしれない。

「ほら、また泣いた」

『…泣いてない』

「どうだか」
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