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第9章 天からの贈り物


『ん?…ああ、トウェインさんまだ気付いて無かったんだ?』

「え、まだ気付いてなかったって…えっ!?だって君、そんな事を誰かに指示するような素振りなんて一回も…」

「阿呆、だからなめてるっつってんだよ。蝶は手前らが沖縄に行く直前に探偵社の野郎から電話で、手前らの拠点が空にあるって事を聞いたんだ。んで、そん時に手前がいたのを思い出して、空からの狙撃があるかもしれないって考えたらしくてな?」

中也さんは太宰さんから聞いたのだろう。
淡々と述べられていく事実にトウェインさんはみるみる焦ったような顔になっていく。

「んで、そん時に既に、街中にスモークと……出来ることなら飽和チャフまで用意して設置していて貰えると助かるっつって指示しといたんだよ」

「そ、そんな段階から飽和チャフまで用意させる普通!?読みが深いっていうか準備が行き届きすぎてるっていうか……!!」

トウェインさんの声に、久しぶりに少し冷たい声が出た。

『そこまでって…当然じゃない、負けたら仲間が死んじゃうかもしれないんだよ?死なないために死ぬ程考えて準備するだなんて普通でしょ?』

少し周りの温度が下がって、中也さんまで冷や汗を流しているのが見えたため、パッと笑顔に切り替えた。
危ない危ない、ここにはもう敵はいないんだから、“澪”を引っ張ってきちゃいけないよね。

私は白石蝶なんだから。

『まあ、飽和チャフまで用意してれば、空からの攻撃は防げるようになるかなって。実際に今も上手くいったからトウェインさんも暇になったし、流石太宰さんだよ、怪我の身でよく間に合わせてくれた』

「い、いやいや蝶ちゃん、君今他の人のこと褒めてるけどさ…流石に僕にも分かるよ?君……こうなるところまで、全部分かってたでしょ」

『全部って、予想外な事ばっかりでしたけど?』

細かい事は抜きで、今回の抗争の流れについてだよと言われ、まあ今のところはと曖昧な返事を返した。

「タイガーボーイにあんな事言ったのも、ルーシーちゃんの行動を読んでたから君は動かなかった…後押しして一人で脱出させても、街の呪いが解けるって分かってたでしょ」

まあ厳密に言えば、自分が組合の拠点に自然と残るような理由を作るためと…後は、なんとか探偵社とポートマフィアとの共通点を作り出したかったから。

共闘して、欲しかったから。

フッ、と薄く微笑んだ。
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