第9章 天からの贈り物
『えへへ、ただいま〜』
おんぶされるような体勢のまま中也さんの背中に乗っていれば、中也さんがようやく頭を整理させたのか口を開く。
「し、死ぬかと思った…いやマジで心臓に悪いお前、ビビった、心臓止まるかと思った……ってそうだよ蝶!なんでいきなりんなとこに…能力使いやがったな!?」
離すぞ!?というような勢いの中也さんの首元に腕を回して、どこにもぶつけられなかった気持ちをぶつけるように、中也さんの背中に顔を埋めた。
『やだ、中也さんの事困らせに来たんだもん』
「んな事言ってもそんなとこにいたらお前もしんどいだろうが!?いいからとっと……と……………立原、こいつ、何かあったか」
何故か私の様子に気が付いた中也さんにピクリと肩を揺らせば、合流してきた立原の少し驚いたような声が聞こえた。
「な、何って、刑事に話聞かれてそれから軽口叩いて……散々俺が弄られて帰ってきたとこっすけど」
ぐっ、と悔しそうな立原の声に、どこかよかったなと安心した自分がいた。
「そうか…悪い、ちょっと席外すわ。戻るまでここで待ってるか、どっか移動したら連絡頼む」
『え……っ、中也さん…?』
それだけ言い残して私を背負ったまま、歩いて移動してしまう中也さん。
立原とトウェインさんはそのまま残り、私と二人で場所を移動する。
ポートマフィアの企業の入った建物のすぐ近くの路地に入ると、中也さんは異能も使わずに私を軽々と背負った状態から前に移して抱き上げた。
『え、ええッ!?ちょっと、いきなり何を…!!?』
「……お前、また何か考え込んでやがんだろ」
『!別に何にも考えてないですよ!そんな中也さんが心配するような事何も無いですし大丈夫で……ッン…っ』
地面に下ろされたかと思えばすぐに中也さんからキスされて、結局また最後まで言わせてもらえなかった。
少ししてからゆっくりと中也さんの唇が離れて、なんでキスされたのかが分からなくて、思わず彼の目を見つめる。
「お前の大丈夫は大丈夫じゃねえんだって…無意識だったんなら尚更だ。手、震えてたぞ」
『!!……う、そ…』
本当だと言いながら頬に手を当てられて、額に一つ、そしてもう一度唇に一つキスが落とされる。
『ぁ……、ほ、本当に大した事じゃなくってね?ほんとに…』
「……言いたくなけりゃ無理に言わなくてもいい。けどあんま溜め込むな」
