第9章 天からの贈り物
実は今回五人を捕まえた後に、俺も入会させてもらったんだが。
そう言われて箕浦さんの方をバッと見れば、照れたように笑いながら返された。
「署でも話のネタになっていてな。俺の他に何人もここのコミュニティに参加している奴はいるぞ」
『け、警察さんも…な、なんだろう、大丈夫なんですかね』
「はははっ、君ならそういう反応をすると思った。何、固く考えなくとも、ちょっと周りが何かあった時に気にしてくれるってくらいに思っておけばいいさ」
武装探偵社だって情報も出れば、君に手を出すような輩もめっきりいなくなるだろうがな。
中也さんと同じような事を言われて、ああ、保護者が増えたような感覚なのかとどこかで変な納得のしかたをした。
ファンクラブ基親衛隊基見守り隊…まあ要するに、お人好しな人達と興味本位の人達とのコミュニティ。
「ただ、それでも何かがあるようならば助けを求めればきっと誰かが気付いてくれるさ。君は元々、横浜の中でもここ数ヶ月で一気に有名になってたからな」
『えっ、私が…?』
「当たり前だろう、あれだけ驚異的なスピードで事件を解決してしまう上に、たった半年で警察側が君に世話になった事件だけでもどれだけあったことか」
住民にも君の活躍は届いているさ。
言われた箕浦さんの言葉はあたたかく、しかしそれと同時に、私の心が冷たく冷たく冷えていく。
今でこそ、武装探偵社の社員で人助けなんてものもしている。
ポートマフィアの時代であっても、その時だからこそ、意志を持って中也さんや横浜のためにと動いていた事もある。
しかしよくよく考えてもみろ、私が…いや、零がいったいなんのために、どれだけの人間を殺してきた?
どれだけの不幸を生み出してきた?
自分で納得の出来ないような殺しを、誇りも守るものもなくただただ続けてきた私が…そんなに感謝されていいような人間であるはずが、ないじゃあないか。
『…………まあ、私はちょっとでも人の役に立った方がいい人間ですから。折角能力だってあるんですし、役立つ使い方をするべきでしょう…ああ、ポートマフィアなんてものに入って暗躍するのもいいかもしれませんね!』
立原の顔が明らかにひくついたのだけれど箕浦さんには盛大に笑われた。
「やり方はやり方だが、確かにポートマフィアは横浜を守る二大異能組織の片割れ…君が入ると更に過激になりそうだ」
