第9章 天からの贈り物
「!!……すまない、そうだな。配慮が足らなかった、女性に問い詰めるような事ではなかったなこれは」
『…………いえ、気にしないでください。箕浦さんのせいじゃ、ないですから』
現場に駆け付けてくれていた立原の方には顔を向けられなかった。
人に怖いって言う事が怖い…怖いって、本音をさらけ出すことが恐ろしい。
中也さん以外の人にああいう事をされるのが、酷く嫌な記憶としてこびりついている。
少し間をあけてから箕浦さんは顔を上げ、話を切り替える。
「じゃあここで話を変えるが、君の親衛隊というか…見守り隊というか。このサイトが今、かなりネット上で話題になっていてな?」
見せられたのは先程いっぱい見ていたサイトだった。
「つい先程出来たばかりなんだが、この画面を開いて君が昨日路地に連れ込まれるのを見たという人物が四人現れたんだ。それで流石に調査をしてみようかという事で映像を確認してみれば、証拠が出てきたというわけで……このサイトはどのようにして作られたんだ?」
『あ、それは…さっきケーキバイキングで優しくしてくれたお姉さん達が』
「さっきって……本当にさっきか」
驚いてそれ以外に何も言えない箕浦さんにコクリと頷けば、すごいな…と呟かれる。
「これによって犯人が逮捕されたという情報までメディアの方に流出していて、寧ろ今回ニュースとして取り上げられていたのはこの事件についてではなく、君についての事なんだ」
『え、私ですか?』
「ああ。横浜にいる少女のファンクラブのサイトが、出来て数分でおびただしいほどの会員数になり、事件の解決にまで至ったと……今回捕まえたこの五人組、他にも何回か同じような事をしていた事も明らかになった。警察の方も、このサイトに助けられたんだ」
私の知らないうちにそんな事が…
呆然と会員数を見てみると、明らかにケーキバイキングにいた人だけではな、私自身の知り合いの数を圧倒するような数がそこには記されていた。
『わ、私が知らないうちになんか凄いことになってたんですね?』
この世界のネットメディアの事情にはまだ少し疎い私の発言にまた驚いたのか、目を丸くして箕浦さんは私を見る。
「君が武装探偵社の社員だという事も割れて、SNSのトレンドにも取り上げられている程だ……まあこのサイトの特性故に、人の興味を引いているからな」
