第9章 天からの贈り物
部屋に入ると昨日あった事を詳細に聞かれて、声をかけられて路地の方に誘導され、気付けば五人に周りを固められていたのだと説明した。
「………それで、具体的に何をされたのかは…」
『!…え、っと……話さなくちゃ、お仕事進まないんです…よね』
苦笑いで聞き返すと向こうも少し辛そうな顔をして、女性の刑事に変わろうかと聞いてくれる。
しかし何度か関わりがあって顔見知りの人の方が話すのも楽だったため、やんわりと断った。
『…軽く服をはだけさせられて、ちょっと色々触られたくらいです。昨日はかなり薄手の格好でしたし』
「そうだな、確かに少し目立つ装いではあった…もう少しだけ具体的に教えて貰ってもいいか?」
あそこの監視カメラの映像は音声が拾えるものではなかったらしく、会話などの情報は一切なかったらしい。
『は、はい……え、っと…き、胸部と首元を主に触られて…………そ、その…舐められ、たところでこの人が来てくれて』
ギュ、と掌を握って、途切れ途切れになりつつも答えると、箕浦さんは更に顔を顰めた。
「全く、こんな子に酷い事をする輩がいたもんだ…他に暴行されたりはしなかったか?痛めつけられたりは」
『なかったです、ちょっと強めに壁の方に押さえつけられてたくらいで』
「そうか。…で、まあこれは俺が君の事を知っているから聞くんだが、君程の子なら逃げる事も反撃する事も出来るくらいの力を持っていただろう?どうして反撃できなかったかも、教えて貰って大丈夫か」
私が武装探偵社…並びに担当した事件で戦闘した時、箕浦さんはそれをしっかり目撃していた。
だから確かに、反撃出来たといえば出来たはずだったのだ。
『…相手の方に怪我させて大事にしちゃったら、探偵社の看板に泥を塗っちゃうと思ったから』
まず出てきたのはこれだった。
ポツリと呟いたその言葉に箕浦さんも立原も驚いていて、私の方を向く。
「た、確かに君が反撃すれば相手が怪我をする可能性もあっただろうが…でも君は被害者だぞ?それこそこの彼が助けに入ってくれていなかったら今頃どうなっていたか」
『……だ、って、怪我させないで解決しようって考えて、でも変な事ばっかりされて…どうやって冷静に考えられます…っ?どうやって、声なんか出して、助けてって叫べます?』
男の人に囲まれて…
『私だって…流石に、怖い……ですよ』
