第9章 天からの贈り物
今度は中也さんや立原のものだけではなく、軽く一種のホラーにも思えるほど多くの着信音が同時にケーキバイキングの中をざわめかせる。
何故だかお姉さん達だけにとどまらず、直接私と会話をしていたわけでもなかった他のお客さんたちや店員さんの一部に至るまで、色んなところから短い音が鳴り響く。
突然の事態に驚いて首を傾げていると、どこかからおお、と声がする。
「あ、監視映像に映ってたんだって」
「本当にいたのね?まあこれだけ可愛いとそりゃあそうか…」
「もう捕まったらしいよ、よかったよかった」
何の話かと思いながら中也さんの方を見ると、中也さんの方も驚いていたようで、すげえなこれ、と言いながら携帯の画面を私に見せる。
そこにはトークルームのようなものが表示されていて、大手企業のニュースのウェブページのスクリーンショットが画像で貼り付けられており、そのニュースには五人の男の顔写真が写っていた。
しかし私が驚いたのはその先だ。
『え、嘘…この人達昨日の……』
「!マジでこいつらだったのか!?人の情報ってすげえもんだな…」
写っていたのは、昨日私を取り囲んでいた男達。
立原が助けてくれなかったら危なかったところだった…ニュースを見たのか立原でさえもが驚きの表情を見せている。
「昨日通りで蝶ちゃんがこの人に路地裏に連れてかれるの見たって人がいて、すぐに警察の方に話がいったみたいね」
「ていうかさっき作ったばっかりなのにもう会員数凄いことになってる。よかった、捕まったみたいで」
周りの人の少し驚いたような、けれど安心したような声に私の方まであたたかくなった。
しかしそんな中、中也さんの携帯に電話が入る。
「!…もしもし。……はい?警察の?…誰だよあんた、蝶に代われって、そもそも何で俺の番号を…え、名前を言えばわかる?」
中也さんが私の方に顔を向けて、変な顔をして聞いてくる。
「蝶、お前警察の箕浦って男、知ってっか?」
『!箕浦さん!?前に一回私が付き添いで担当した事件を受け持ってた刑事さんだよ!』
「そういう事か…何やらお前に話があるらしい、代わってくれ」
『話?うん…?』
中也さんから電話を受け取れば、電話越しに箕浦さんの声が響いた。
「今君の事がネットでかなり話題になっていてな?君の携帯に連絡しても誰も出ないから、探偵社の方に連絡先を聞いたんだ」
