第9章 天からの贈り物
私の発言にざわついていた人達が一斉に静まって、次第にまた話し声が溢れた。
「ち、蝶ちゃん?そ、そのええっと…こちらのち、中也さん?の事がそんなに大好きなのね?」
『!うん、この世で一番大好きだよ!!』
「ブッ、!!!?」
心の底から笑顔を浮かべてお姉さん達にそう返すと、中也さんが一人でむせ返った。
すると何人かの人が端末をいじり始めて、何かと思えばページを更新したらしく、私に画面を見せてくれる。
「じゃあ、もう好きな人がいるから告白お断りって書いておくわね」
『え、そんなのする人いないですって。大丈夫ですよそんなの書かなくっても…』
「「「蝶ちゃんお願い、お願いだから」」」
『は、はい…っ?……ていうかわざわざこんなの作らなくても、お姉さん達皆個人的に会ってくれれば問題ないのに』
ファンクラブ……というか親衛隊って書いてあるけど、こんなものを作る必要性が全くもって感じられない。
どうして私なんかをそこまで気にしてくれるのだろう。
「貴女みたいな可愛い子が街中で誰かに誘拐でもされちゃったら大変でしょう!?」
「何かあったらすぐにネットワークを通じて助けに行ってあげるからね!変な大人とか変な男について行っちゃダメなのよ!!」
どうしよう、私の周り基本的に変な大人と変な男の人しかいないんだけど。
とりあえず頷いて返してみるも、頭に思い浮かぶ中でまともな大人といえば…谷崎さんと広津さんと芥川さんくらい?
そこまで考えてふと思った。
あれ、どうしよう、私の周り変人しかいない。
今更すぎる事を考えていれば中也さんが復活したのか私の頭に手を置いて、付いていくなよ?と念を押す。
『わ、分かってますってば…だから力込めな……っ』
「____お前、街中で誰かに絡まれて知り合いがいなかったらすぐに助け呼べ。こん中の誰かでもそこにいりゃあ、すぐに助けを呼んでくれっから」
昨日も絡まれたばっかだろ、と小さく耳打ちされてから、ようやくこの親衛隊とやらの目的が分かった気がした。
要するにサイトに記載されている通り、本当に私を見守ろうというものであるらしく、何かあった時に力になろうというものらしい。
どうして見ず知らずの人のために行動してくれるのか…どうして私みたいな奴に優しい事を思ってくれるのか。
はい、と微笑んでみせれば、また携帯の着信音が鳴り響いた。
