第9章 天からの贈り物
「語尾ににゃんって言わせてニャンニャンしてくれるようお願いしてるのに、すっごい嫌がっちゃうんだよね」
「今幹部んとこに来ただけでも驚きだよな」
散々言ってくれてる二人に反論したい気持ちを何とか抑え込んで、顔を上げて中也さんを見つめる。
「!…まあ仕方ねえだろ、こいつはただの猫じゃあねえし……なあ?蝶」
『な、に…?』
「いんや、別に?ただお前は、飼い主さんに従順なだけで他に興味がねぇだけだよなって。なあ、蝶さんよ」
頬に手をあてられてそんな事を言われ、それこそ突発的に何言ってんのと口から出そうな衝動に駆られる。
だけど言われてしまえばそれもそうで、この人の言う飼い主さんというものの例えが誰であるのかなんて私の中では明確であった。
『…ん……』
でもやっぱりそんな語尾をつけて媚びるなんかよりもこの人の手に触れていたくて、スリ、とその手に擦り寄ってあたたかさを感じとる。
「分かってんじゃねえか…ほらみろ手前ら、こういうところが可愛いんだよこいつは。だいたい猫の躾なんざしたところで猫は本来気まぐれなんだから、従順になるのを待ってだな?」
「「いやいやいや、そんなの普通出来ることじゃないでしょそんなの」」
『ん……中也さんお仕事はぁ…?』
いけないスイッチが入ってしまって、少しだけ甘い声が出た。
ダメだ、気を良くしすぎた、ルーシーさんの言った通りちょろ過ぎるぞ私。
その声にバッとこちらを振り向く立原コンビ。
「さっき超特急で終わらせてきたところだ、後は有事の際に体張るだけだよ……んで、どうしてほしいんだ」
『…ケーキバイキング行くの』
「それで?」
『………一緒、行こ?』
少ししてから返事が無かったので少し気まずくなって目を逸らすと、トウェインさんか誰かが言っていたようにギュッと中也さんに抱きしめられた。
「ははっ、じゃあお願い聞いてやらねえとな。猫の気まぐれはいつ終わっちまうか分かんねえし」
よしよしと頭を撫でられて、結局ご満悦になる私。
完全に中也さんにいいようにされてるよう感じはするのだけれど、これも仕方ない。
それこそ自分から甘えるように中也さんにも腕を回してゴロゴロ擦り寄っていると、立原コンビの溜息が聴こえた。
「ありゃ敵いませんわ、あんな従順な猫いねえって」
「手慣れてるなぁ中原君、彼絶対普段からああでしょ」
