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第9章 天からの贈り物


何があったのか、どうしたのか、詳細は何も教えてもらえなかったらしく、首領にさえ内密にしているという。
しかし確かに、蝶ちゃんが自分の事をどこか周りから一歩線を引いて立たせていたものがなくなったのだと…ようやく、何かから解放されたような、幸せそうな顔をしていたと、彼は聞いたらしい。

首領は直接その蝶ちゃんの様子を見ていたらしく、見違えるほどに雰囲気が変わっていたのだとか。

「それでそれ聞いたら、余計にあいつを幹部のところに戻してやりてえって思ってよ…俺がこんな事を言うのはおかしいとは思うが、頼む。あいつの事を思う気持ちが同じなら、何とかあいつ…の……!!?」

立原君の頭にポン、と手を置くと、やはりかなり驚かれ、すぐさまそこから飛び退かれた。

「君は実に蝶ちゃん思いのいい子だね、流石ポートマフィア一の蝶ちゃんの友達だ」

「…何百年もかけてようやっと自分をさらけ出せる相手に出逢えたんだ。そろそろ幸せになったっていいだろ、あいつも」

「そうだね。だが大丈夫だ、安心したまえ!君の首領もこちらの社員も、あの子のことは助け出すつもりさ。それに君、中也の事だし、あいつは何か漏らしていなかったかい?」

例えばそう、もう筋道は出来ている……とか。

言った瞬間に驚きすぎたのかまたもや飛び退かれ、今度は冷や汗まで流された。
国木田君に至ってはいつものように頭を抱えてため息を吐いている。

「あははっ、正解だねその反応は?大丈夫、私はもうあいつの考えも森さんの考えも分かっているさ…拠点の特定は任せたまえ。君にはあの子を地上に連れ帰った時に活躍してもらおう」

「!……はは、なんだ、心配せずとも皆あいつの事考えてんじゃねえか。よかった…じゃあ、俺はそれが頼みたかっただけだ」

片手を振って去っていく立原君を微笑ましく思いながら、国木田君の方に向き直る。
蝶ちゃんの実験と言っただけだったため、最初はどういう事か分かっていなかったようだが、殺されると聞いてからは国木田君の顔色がどうも悪い。

「で、国木田君?探偵社に蝶ちゃんの事情をそこまで知ってる人間は、正直言って私くらいだ。乱歩さんなら気付いているかもしれないが…誰にも、蝶ちゃんにも悟らせないようにしてくれるのなら、私の知る限りのものなら話せるよ」

「……全て話せ。社長にも言わん」

ニコリと笑って、説明を始めた。
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