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第9章 天からの贈り物


私のカミングアウトに呆然と抜け殻のようになってしまった国木田君をちょん、と指でつついてみると、バタッとその場に倒れてしまった。

他の皆は知っていたから全員各々の仕事に戻り、私は倒れた国木田君の傍でしゃがみこむ。

「お、お前と…白石が?あの、白石が……!?」

「そうだよ。さらに言うと私は元幹部で、蝶ちゃんはもう一つ上の権限を持った特別幹部なんて役職になってたさ」

流石にそこまでは知らなかったのか、再び全員の作業の手が止まった。

「蝶がポートマフィアだったってだけでも驚いたのに、そんな役職にまで就いてたのかい?大したもんだねえ本当に」

与謝野先生の言葉に自然と笑みがこぼれる。

「ふふ、本当に。今はあんな風に育ってくれてますけど……本当に、来たばかりの頃は色々と大変でしたよ。特にあの帽子置き場が」

私の発言に口を揃えて素敵帽子か、素敵帽子さんですね!素敵帽子君だね、と声が溢れ、ただ一人Qの呪いで話を知らない国木田君が頭を混乱させている。

「帽子?なんだ、それは人間か?」

国木田君の間抜けな回答にその場の全員がプッ、と吹き出して、その場が笑いに包まれた。
私に関して言えば特別腹を抱えて笑っている事だろう。

「あっはははは!あの蛞蝓にはそんなので十分だ…けどこんな事ばかり言ってると私が蝶ちゃんに怒られてしまうなぁ」

今でも十二分に可愛らしい蝶ちゃんの子供の頃を思い出してクスリと笑い、国木田君にも分かりやすいように説明してあげた。

「結論から言えば、残念ながら人間なのだよ。それで、国木田君が分かりやすいよう言うと、その素敵帽子なる人間が蝶ちゃんのお目付け役の育てと名付けの親……もっと言うと、あの子にあの指輪を与えた蝶ちゃんの想い人張本人だ」

この人ですよ、確かに気性は荒そうですけど、監視映像のデータを見てて僕この人に惚れそうになっちゃいました!と谷崎君がパソコンを持ってきて、私の大嫌いな蛞蝓帽子置き場が映っている。

これは私も見た事のない映像だなんて思っていれば、丁度敦君がQの呪いにかかった日のものだった。

「帽子というのはこういう事か…ってなんだこの男は!?与謝野先生に蹴りを……ッ、白石!!?」

映像の中では中也が与謝野先生に蹴りを入れかけていて、そこに割り込むようにして、いつの間にか蝶ちゃんが瞬間移動で間に入ってきていた。
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