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第9章 天からの贈り物


ただでさえ空に浮かんでいて厄介な拠点な上に、ステルス機能までついているときた。
目にも見えなければ発信機がないと追うことも出来ない。
そしてそこを落とさなければ、この戦争は終わらない。

「あの指輪…は、確か好意を寄せる男から貰った物だと……」

「そうだよ、そうそう。おかげで蝶ちゃんの場所が分かるわけなんだけど…ああやる気が出ない。あの子の為だから動きはするけど、社長から任された次の仕事が……はぁ、」

「!昨日社長と敦がえらく話し込んでいた件か」

国木田君の声に応える、そうだという短い声。
社長のものであると分かったため姿勢を正せば、国木田君もピシッと背筋を伸ばして気をつけをする。

「太宰、ポートマフィアとの密会の件は進んだか」

「手は打っていますが…」

「ポートマフィアの首領は来ると思うか」

「来るでしょう…社長を殺す絶好の好機ですから」

それに、と続けて社長にもあの子の名前を出す。
私の中ではやはり反対ではあるのだけれど、確かにこの戦争を生き抜くためにはそれが最も有力である事に間違いはない。

「……むこうも、我々と同じく蝶ちゃんの為にならどんな手段でも使います。何よりも社長も見たかとは思いますが、あちら側にはあのチビがいる」

「!…構成員同士で血を流し合うよりは良い。白石の件についての話を持ち合わせた上で交渉に臨もう…後、今日か明日中に甘味を用意しておくように」

社長も結局蝶ちゃんには勝てない。
探偵社もポートマフィアも、正直言ってしまえばあの子の為だけに動こうだなんて事は、最初から造作もないことなのだ。

ただし、それを実行しようと考えれば、必ず私が働かなければならない。

社長の甘味を用意しておくようにという指示に国木田君はよくわけも分からない状態ではい、と返事をする。
そして社長は社長室へと戻っていってしまった。

「おい太宰……ポートマフィアと密会だと!!?」

するとやはり騒がしくなるのが国木田君。

「敦君の着想からえらく大事になったものだ…いくら組合が最大の脅威になったとはいえ」

「待て待て!!第一、何故お前が密会の手はずを整えている!?それにどうして先程から白石の話がそんなに!?」

国木田君の言葉に今更かと言うような顔を向け、笑顔になる。

「だって私と蝶ちゃん、元マフィアだから。今や国木田君以外は皆知っているよ?」
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