第9章 天からの贈り物
『…それ、トウェインさんが一回目に買いに行ってたやつ?』
「そうそう、ちょっと無理言ったつもりだったんだけど笑顔で用意してもらえてよかったよ!森さんに頼まれて買いに行ってたんだ」
『な、何?見たい』
もったいぶるように言うトウェインさんのもつ袋の中には紙袋が入っていて、それを手に取って開けられる。
するとそこには、見慣れた瓶が六つ入っていた。
『!!プリン!!これ、今日は置いてなかったのに!?』
「だから、ちょっと頼んでみたら嬉しそうに作ってくれたんだって!森さんには三つくらいでって言われたんだけど、奥さんに聞いてみたら五つは食べるだろうからってことでこれだけ買って来たの」
『こ、これ食べていいの!?』
勿論、と言うトウェインさんに全部!?と聞き返すと、僕にも一個頂戴よと言われて一つだけ取り上げられた。
「ルーシーちゃんは今日はもう自室に戻ってるし、蝶ちゃんは部屋戻る?」
『トウェインさん、一緒に食べないの?』
「え、僕?いいけど…」
じゃあ行こうよ、と服の袖を掴んで率先して連れて行く。
「ど、どうしたのかな蝶ちゃん?そんなに僕と一緒に食べたいのかい?」
『うん、人と一緒に食べるのが美味しいの』
「あー…成程」
何かを察したような反応を見せるトウェインさんを連れているとすぐに部屋に辿り着き、そこに入ってプリンをミニテーブルに置く。
首領の言ってた楽しみってこれだったんだ、なんてうきうきしながら、紅茶も一緒にプリンと堪能した。
明日、時間があったら今度こそフランシスさん達の分も買ってこよう。
翌日、朝起きて部屋から出るとそこにはフランシスさんが何故か待機していて、理由を聞けば私の体調が気になったからだと返された。
貧血であった事や血液に関することはドクターから報告を受けていたらしく、食事のメニューもあまり消化に悪い料理は出さないようにしてくれるらしい。
そんなとこまでいいのにと言おうとしても、少しくらい大人らしいことをさせてくれと言われてしまい、お言葉に甘えることにした。
今日こそ山小屋で罠を発動させるかもしれない。
それを思うと、内心太宰さんで大丈夫なのなとかなり心配にもなっている。
しかしそれを何とかしてしまうのもあの人だ。
どうか怪我だけ少なくて済みますように。
どうか、誰ももう死ななくて済みますように。
