第9章 天からの贈り物
「で、本当に良かったわけ?元々蝶ちゃん連れてこられてる身なんだから、別にボスのためにとか考えなくっていいのにさ」
『フランシスさんのためとか考えてないよ、ただよくしてもらった以上はちょっとくらい返したいなって思うだけ』
山小屋に出てきて、歩きながらトウェインさんと話をする。
「うっわぁ、ほんっと律儀」
『……それに、私の中じゃあ探偵社もポートマフィアもやられる予定は全くないし。組合の方に何かあった時、私がいれば助けられる人だっているかもしれないでしょ』
「え、まさか蝶ちゃん本当にそんな事考えてるの!?」
『当たり前じゃない、元々死人とか出さなくてもいいような抗争なんだから。それに何の関係もない横浜の人達からしてみたらいい迷惑だからね』
淡々と返す私にお人好し、と褒めているのか悪態をついているのか分からないような声を返す。
どっちが、と言い返している内にジョンさんのところにたどり着いた。
「あ、おかえりなさい。本当に帰ってくるとは思わなかったよ…調子は?」
『走ったり暴れたり以外なら大丈夫そう…です』
「そうかい。今は交代で見張りをしてたんだけど、戦略予測に記されてるパターンの時間は過ぎたし、寝ようとしてたところなんだ」
ふあ、と欠伸をするジョンさんは、本当に私が戻ってくるのを待っていただけだったのだろう。
簡易テントの中では多くの人が寝袋に入っていて、眠れているようだった。
『今日誰も来なかったんなら明日の夜まで粘るんですよね?それなら私も…』
「「君は拠点に戻るんだよ」」
『へっ?』
ジョンさんとトウェインさんの声が重なって、つい驚いてしまった。
「貧血でバテてた女の子はとりあえずゆっくり休んで、また明日に来なさい。テントあるだけで十分助かってるんだから」
「ほんっとうに学習しないよね、とっとと戻って早く寝るんだよ。蝶ちゃんさっきもちょっと間寝てたくらいには疲れてるんだからさ」
やってられない、早く寝てよね。また明日ーとジョンさんはひらひらと手を振って歩いて行ってしまった。
『…え、でも「蝶ちゃん、戻らないんならポートマフィアに報告するよ」戻ります………』
扉を作って組合の拠点に繋げ、そこを開けると中にはいはい、と押し込められた。
「ほら蝶ちゃん……これ、なんでしょう?」
そして突然見せられたのは、何かの袋。
ん?袋…?
