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第9章 天からの贈り物


「お前が探偵社にいるって判明してからは今までよりも厳重に扱うようにしてたんだが、正式には休職中って事になってる。お前の性格上、何かあったらこっちにまで世話焼きに来ちまうだろうからって」

『…世話焼きって、行き届いてるのは中也さんと首領のほうじゃないですか……ありがとうございます』

ポートマフィアに来るずっと前に、マフィアの組織に所属していた事があるとは聞いていた。
それもその組織の中でも極めて殺しの任務が多いとされる、暗殺部隊にいたとかなんとか。

しかしそんな組織でも、幹部層や中心部の絆は特別強かったらしく、自らの組織の事を家族だと言うような所だったらしい。
その時蝶がいたその世界では、己の系列や同盟マフィアの事までもを家族だと、そう呼んでいたような世界だったらしい。

まさか異世界の話だったとは思いもしなかったが、蝶がポートマフィアの事もそういう場所だと思ってくれているということは、上層部の人間なら誰しもが分かっていた。

だからこそ、いつでもそんな家に帰ってこられるようにと、本当にただの職権乱用ではあったのだが蝶の名前はこっそりとそのまま残してあったのだ。

「うんうん、いつでもわがまま言いに来てくれていいからね。なんせ君はただの幹部じゃなくって特別幹部なんだから。時には僕も君の言う事を聞いちゃうさ」

『とか言いながら首領って、私が言う事拒むどころか率先して提案してくる方ですよね』

「あれ、そうだったかい?まあいいじゃないか、蝶ちゃんだし!」

あはは、と何を思い出したのか笑顔が少しだけ引きつった蝶。
めくるめく首領との思い出が今、頭の中に流れている事だろう。

「まあそういう事だ、実質マフィアんなかにおいても、お前は俺なんかより立場が上だって事だ。わがまま言っとかねえと得しねえぞ」

『……じゃあわがまま。中也さん、私がいない時に女の人とベタベタしたりデレデレしたりしないでよね』

蝶の発言に俺だけでなく、その場の全員が吹き出した。

「ばッ、お前、俺がんな事した事がただの一度でもあったかよ!!?」

『修学旅行の時にカエデちゃんと奥田ちゃんに手握って引っ張られてたのどこの誰ですか』

「あれまだ根に持ってたのか!つかお前の友人に乱暴な扱いしたらいけねえだろ!?」

『!……でも中也さんに触るのは私の特権なの』

蝶はソファからおりて、俺の胸に来た。
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