第9章 天からの贈り物
食器を片付けながらトウェインに軽口をたたいていると、次に結局蝶の話に繋げられる。
「成程、蝶ちゃんの律儀さは君譲りってわけか」
「あいつはまあ律儀だが……いや、どっちかっつうとあいつのが俺にも移ったって感じだ。蝶の方がよっぽどしっかりしてる」
「親が子を見て育ったのか子が親を見て育ったのか…」
後片付けを終えてソファの方に戻って蝶の目の前に傅くと、キョトンとした目でこちらを見られた。
「今日は…どうする。俺はここにいてもらっても全然いいんだが、お前は何やら組合の方でも力になりたい事があるんだろ?」
『!う、ん…』
俺の発言と蝶の反応に首領もトウェインも驚いてこちらを見る。
「そうか、それじゃあしたいようにすりゃあいい。どうせお前の事だし、悪い事に手を貸そうとしてるわけじゃねえだろ…まあ、んな事になる前に俺がまたかっ攫いに行ってやるけどな」
『……ん、来てね…?あ、でも拠点を破壊して落とそうとしたりしちゃダメだよ、組合の人も横浜の人も大勢巻き込んじゃうんだかり』
「ああ?んなもん気にしてたらどうやって…まあ上手いこと考えて何とかしてやろう」
首領からもトウェインからも、それでいいのかといったような目で見られ、それに何も答えずに蝶の頭を撫でてやる。
「首領、すんません。元特別幹部に元平構成員の俺は敵いそうにねえっすわ…組合の方にも世話焼きてぇみたいなんで、特別幹部のわがまま聞いてやってもらえませんか」
「!まさか君が今それを言うとは思わなかったよ、面白い。蝶ちゃんの世話焼きはどうしようも無いからね…うん、わがまま言われちゃあしょうがない、許可しよう」
首領も蝶には特別甘い。
その上こいつがポートマフィアを裏切るようなこともないと信じている。
何よりも、俺を裏切るようなことをしねえと分かっているからだ。
『中也さん交渉方法ずるい…私もうポートマフィアの人間じゃないはずなのに』
「それなら尚更お前の自由にすりゃいいだろ?それにお前、知らねえのかもしれねえが、まだポートマフィアの方から除名されてるわけじゃねえんだぞ」
『え、そう…なの……?』
目を大きく見開かせる蝶に、首領が続きを説明する。
「蝶ちゃんはいつでもうちに来れるようにしてあげたかったからね!職権乱用しちゃった♪」
マジですげえわこの人、蝶への愛情なら並じゃねえ……
