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第9章 天からの贈り物


おやおや、先に頂いておくよと高さの高い机の方に座って先に食べ始める首領達。
何気にソファの方に俺と蝶を二人で座らせようとするあたりがなんともまあ首領らしい……じゃなくて。

「ち、蝶どうした?ほら、あったけえ内に食った方が食いやすいし早く…」

『……ッ、中也さんと食べるの久しぶり』

「!!…そ、うか……それでお前…」

元々食べることに執着もねえような奴だったから、正直食欲不振になるかもしれねえだなんて予想はついていた。
記憶もなくなってたみてえだし、あんまり他人が作る料理も食べねえし。

それかもしくは一人で知らねえところにいることやその他様々な事が原因となるストレスが影響かと思っていた。

でも、結局そこでもこいつはまっすぐで純粋な奴だったんだ。

『食べる…全部食べる、お腹いっぱいになっても食べる』

「…おう、好きなだけ食え。そんなに食いたきゃ俺の分もやってもいい…食えるんならだがな」

ほら行くぞ、と撫でてやれば俺の手を握ってついてくる。

そうだよな、飯だけは仕事が長引いても、いつも一緒に食ってたもんな。
この世界に来てからは俺と出逢うまでの間、誰か大切な奴と一緒に食事をとった事なんかなかったんだもんな。

寂しがり屋な愛らしい少女を座らせて俺も食事を始め、自分自身も久しぶり感じる食事での満足感に少しだけ感傷に浸りながら、蝶の様子を見る。

最初、恐る恐る口に運んだ料理だったが、次第に箸が進んでいき、ゆっくりとだったがちゃんと食べていってくれていた。

「お味はいかがですか、お嬢さん」

『中也さんの味ですね』

「ははっ、分かんねえよそれじゃ。まあ、ちゃんと食ってくれたようで何よりだ」

『………大好きですって言ったんですー』

蝶の声に気分を良くしてそうか、と返し、溢れる嬉しさを隠すこともせず更に笑顔になる。
心配していた様子だったトウェインも安心したような顔をしていて、本当に酷い状態だったのだと改めて感じ取った。





「それにしても、まさか君がいただきますとかご馳走様とか言うような人間だとは思ってなかったよ僕」

「あ?蝶にちゃんとさせねえといけねえだろが、あいつあれでも多分日本人じゃなくて海外の人間だぞ」

「いや、まあ見た目からして日本ではないけどさ…てか君、僕のとこにだけお箸じゃなくてナイフとフォークおいてたよね」

「感謝しろよ」
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