第9章 天からの贈り物
「ううん、こんな光景を見るのも久しぶりだねえ」
「僕目がおかしくなってきたのかな、親子に見えてきた」
「はは、まあ中原君は、蝶ちゃんの育ての親だからね!」
首領達の会話を横目に、トウェインの買ってきていた食材を使って調理を始める。
『ご飯…?それなら私が……』
「だぁから、お前はまだ休んどけって。俺はお前のおかげですぐに元以上の状態になれっけど、お前は普通のスピードでしか回復しねえんだから」
『血に関してだけ不便な身体…なんでここだけ治るの遅いのよ』
「流石に蝶がそこまで強くなられっと、俺とくっつく時間が減っちまうからじゃねえか?」
レバーをペーストにして味を整え、他の野菜や身を簡単なスープやムースにして、細かく切ったものを上に散らしながら答えれば、また蝶が恥ずかしくなったのか大人しくなった。
『ち、中也さん実は結構ロマンチスト?もう私、今日何回びっくりしたらいいのか…』
「あ?あー…どうだろうな。まあでも俺に特権があるみてえだし?これも運命みてえなもんだろ」
『う、んめいとか…っ』
前菜とスープをテーブルに運ぶと、首領は相変わらず俺の料理に目を輝かせていて、トウェインは相変わらず阿呆面を見せてきた。
「君こんなの作れんの?てか買ってきた食材見ただけでよくこんなの思いつくよね…蝶ちゃんが料理上手いのも納得だわ」
「あ?蝶は元から上手かったのを俺が作らせねえようにしてただけだよ。多分俺の数倍は色んなもん作れんぞこいつ」
『数倍とか言い過ぎ…』
蝶を横目に自慢するように言ってやれば、黒服の男達から久しぶりに聞きましたね、中原幹部の娘自慢と微笑まれた。
見知った部下でそこそこ付き合いも長いし、蝶の自慢ならいくらでも出来るため、そこで焦ったりするようなことはない。
蝶に関しちゃあへっ!?なんて声を上げながらまた可愛らしく驚いてくれているんだが、トウェインは別のところに引っかかる箇所があったらしい。
「作らせないようにしてた?またなんでそんなこと…」
ピクリと耳が反応して、んなもん当然だろうが!?と熱が入りだす。
「蝶が謝って怪我したり火傷したりでもしてみろ!危ねえだろうが!!」
言えばポカンと口を開けるトウェイン。
首領と黒服の二人はクスクスと笑っている。
「そ…そこ?」
『トウェインさんごめんね………そこらしいの』
