第9章 天からの贈り物
『ひッ、人が心配してっ…なんでそんなッ!!?』
「おお、怒った怒った。こりゃ珍しいな、まあ可愛いけど」
『な、ッッ…!!?』
カアア、と顔を真っ赤に染め上げる蝶を見てか、ポカンとして見ていた首領とトウェインが遂に口を開いた。
「え、っと……二人共?今のはいったい?」
「人前で深い方とかする!?てか僕の前でイチャつくのやめてくれないかな本当!!」
「ははっ、可愛いでしょこいつ。自分からしても結局こうやってすぐ真っ赤に…って!痛えって地味に!分かった、悪かったって!!」
興奮してシャーッと唸る猫のようにペシペシと胸板を叩かれる。
特段痛いわけでもないのだが蝶が怒っているんだということだけはよく分かった。
それにしても本当に猫みてえだな。
「い、いや…うん。中原君の方からならともかく蝶ちゃんから人前でするだなんて普通ないと思うんだよ。だから突然どうしたのかと」
中原君ならともかくね?と二回繰り返され、こちらも地味に俺の心が傷ついた。
しかし怒ってる割には俺の胸に顔を埋めて顔を隠して唸っている蝶を見ると結局やっぱり可愛らしく思えて、それも気にならなくなる。
「あー…こいつ、自分の血液をこうやって飲ませると、飲ませた相手の傷とか状態異常とかが治るようになってるらしいんすよ」
『……でも私の血と触れても固まらない人だけだもん。それにこんな事しないもん』
分かってるって、ありがとなと背中を撫でてやると、更に恥ずかしがってかギュッと俺のシャツを握りしめる。
なんだコイツ、天使か、マジで可愛い。
「…てな具合らしいっす。前ん時これで俺の貧血治してくれて……ほら、もう針の痕も塞がってますし」
輸血用の針を刺していた左腕を出すと、二人共そこを見て驚きの声をあげた。
「成程、これで今回はそんなに大丈夫だって言ってたのか…冷や冷やしたよ、遂に中原君が何も状況判断が出来なくなってしまったのかと」
「後半ほとんど楽しんでただけに見えたの気のせいかな…蝶ちゃん、そんな男のとこにいないでトウェインさんのとこにおいで!そこにいるより安全だし教育にいいよ、絶対!!」
「んな散々な……つか手前!なんだ安全だとか教育にいいとか、人聞き悪すぎんぞ!?まあ残念だったな、蝶ら俺んところからは…………あ?」
突然ぬくもりがなくなって恐る恐るトウェインの方を向いた。
