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第9章 天からの贈り物


中也さんの言葉に…そんな考え方に、私は言葉を紡ぐことが出来なかった。

「だって考えてもみろよ、お前がそういう体質でそういう能力を持って、ちょっと人より色々持った状態で生まれた奴じゃあなかったら、俺はお前と出逢えてねえ」

ちょっと前に首領に言われたこともあったんだがな?と言いながら、中也さんは続ける。

「お前がいなけりゃ、俺の趣味だってせいぜい酒と音楽と喧嘩と…あと煙草と。それ以外はマフィアで殺しだぞ?酒癖悪いから大変らしいし、仕事しててもしてなくってもろくな生活送ってねえよ」

『!中也さんは私なんかよりよっぽどしっかりした人で…っ』

「そりゃあ俺より小さい奴をちゃんとした大人に育てるためにって色々と学んだからだよ。お前のおかげで気づけた部分もいっぱいある…お前のおかげで俺に楽しみも大事な奴も出来た」

俺がお前くらいの頃思い出してみろよ、正直ろくな奴じゃなかっただろ?と言われて、小さい頃の中也さんを思い出す。

『ちょっと喧嘩早くて…ち、ちょっと短気だったくらいだもん。私に酷い事、してない』

「ほら、お前のおかげで大事な奴への接し方だって変わってるじゃねえか」

『私のおかげって…そんなの言い過ぎだし、たまたま……』

私の頬を撫でながら、中也さんの表情が柔らかくなった。

「お前がいなけりゃ、俺が仕事でヤケになって荒れてた時に誰が止めてくれたよ。やり方を怒りはしたが、俺が死にそうになってた時にお前が助けてくれなかったら、今どうやってここで生きてるよ」

『他の人だっていたでしょ…っ?私じゃなかったかもしれないでしょう?』

「ほかの奴らじゃビビって俺に向き合おうとなんてしなかっただろ、思い出してみろ。お前だったからいっぱいいっぱい助けられてきたし、お前だから何度だって助けてやりたい」

少し中也さんがこちらに近付いて、瞼にそっとキスを落とされる。

『わ、たし…中也さんにそんな風に言ってもらって良いような存在じゃ、ない……っ、中也さんの力になんて全然なれてない。私がいなくても中也さんは中也さんだったよっ、助けられてるばっかりで…ッ』

蝶、と怒っているわけでもなく、ただただ嬉しそうな、幸せそうな声で呼ばれて、目を潤ませて大好きな人の目を見つめる。

「こんな事言っていいのかは分からねえが、俺は口にする質だからな…」

__生まれてきてくれて、ありがとう
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