第9章 天からの贈り物
「んで、そこでお前のその…親みてえな奴がいたってのか?」
『う、ん。親…実質本当に親といえば親なんだけどね。これ言ったらまた中也さんびっくりしちゃうと思うんだけど、その世界の異世界側の住人は、変な病気とか誰かに殺されたりしない限りは、何百年も生き続ける事が出来るような世界だったの』
「!ならお前、それの遺伝みてえなもんなんじゃ…」
中也さんの発言に首を横に振る。
『私、殺されても生き返っちゃうよ』
「そ、うか…すまねえ」
『ううん。それで、そこの人達も本当にいい人達ばっかりでね?まあその世界も色々あったから怪物と戦ったり戦争したりなんて事があったんだけど、本当にあたたかい場所だったの』
「…でもそれなら、なんでこんなところに?どんだけお前が死ねないっつったって、そんだけ寿命が長くていい奴らがいたんなら、そこでいるだろうし」
中也さんはやはり察しがよくて、私も少しびっくりした。
『そ、だね…うん。ちょっとその世界で大きな戦争があってね?……私、そこからほっぽり出されちゃって、元の世界に帰れなくなっちゃったの』
「帰れなく、なった……?」
『うん、私は自分の能力を使うと異世界に移動する事が出来るし、どこにでも好きな時に戻れる…過去とか未来とかみたいに時間の移動は出来ないんだけど』
中也さんに触れる手が少し震えるのが自分でも分かった。
戻ろうと思えば、今まで人と触れ合ったような世界に戻ることだって勿論出来る。
だけど、それをしたところできっともう皆死んじゃってる。
一人で戻ったところで意味は無い。
『それでも最初いた世界にだけは、どう足掻いても帰れなかった。扉をそこに繋げようとしただけで、すぐに白い蝶になって壊れちゃうの』
「…なんで、そんな事に?原因さえ分かれば何とか……」
『………私が…というか、間接的になんだけど。私のせいでその世界そのものを崩壊させかけちゃったらしいから。異世界に丸々私が入れないように結界がかけられちゃってるの』
多分ね、と困り顔で笑ってみせるも、中也さんの表情は変わらない。
『それでまたちょっと話を戻すんだけど、さっきの黒い蝶…あれを使って、その世界で異世界間を移動して回ってたの。だけど私が元いた世界から追い出されちゃった時に、ふっとどこかに消えちゃって……いなくなったはずだった』
「…それが、さっきの奴か」
