第9章 天からの贈り物
首領の終わったよという言葉に呆然として、中也さんを見る。
「な、痛くなかっただろ」
『!…〜〜〜ッ、中也さんのせいなんでしょどうせ!!』
「半分正解だ。お前くらい純粋な奴じゃねえと普通そんなに意識は逸らせねえだろうし、お前くらい俺の事が好きじゃなかったら食いつけねえだろ」
今言われた好きの意味がどっちの意味かなんて考える余裕もなく顔を真っ赤に染め上げる。
上から覗き込まれていてそれだけでも恥ずかしいのに、図星をさされて何も言えなくなった。
「まああと半分は、本当に採血って普通そんな痛ぇもんじゃねえんだよ。お前が実験でやられてた採血が痛かったのはあの針の表面に薬品が塗ってあって、尚且つあの男が医療の免許なんざ持ってなかったからで……あ?」
『……ちゅう、やさん?…………なんで私が採血されてたの、知ってるの?なんで私が痛がってたの…ねえ、なんで…?』
「い、いや蝶!これはッ……すまねえ、思い出させるつもりは無かったんだ。怖い事思い出させたな」
よしよしと頭を撫でながら額にキスを落とす中也さんに、ドクドクとうるさかった胸が落ち着いていく。
『…い、いから………ねえ、なんで知ってるの。私、一言も採血されて痛かったなんて…』
「……お前を連れて帰った日に、あの場においてあった器具を持ち帰って首領と色々調べたんだよ。採血されたまんま置かれてた注射器があって、中の血液はお前のもんだったし、針の部分に触れた布が溶けちまったんだ」
溶けてしまったという言葉にまた中也さんにしがみついたら、再び長めのキスを額に落とされる。
「な?あんま聞きてえもんじゃなかったろ…すまねえな、口滑らせた」
フルフルと首を振って、小さく声を出す。
『…知ってくれてて、嬉しかった……調べてくれて、怖くないようにって…嬉しい』
「!そう、か…?………ありがとな」
『ん…ありがと。大好き……っ、んッ』
中也さんが動いたかと思えば左肩からボレロと肩紐をはだけさせて、そこに紅い華を咲かせる。
左の鎖骨、肩、胸、腕…そして首。
吸われるところ全てが何とも言えないほどにゾクゾクして、少し痛いはずのそれがどこか気持ちよくさえ感じた。
おかしいな、私、痛いの嫌いなはずなのに…
「…は…ッ、昼間の仕返し。見えねえとこにしか付けるつもりは無かったがやめだ……いい顔してくれる」
