第9章 天からの贈り物
『は…ッ、ハ……ぁッ』
「悪い、体調悪いのに無理させたな…注射器、怖ぇだろうけど頑張れるか。皮肉な事だが、あれが一番お前を傷付けずに済むもんなんだよ」
『ん…、中也さんギュッてしてて…っ?一緒、いてっ?』
「ああ、いてやるよ。ちゃんといる…んじゃ、とりあえず採決だけ先にしてもらおうな。大丈夫だ、あれは痛ぇもんじゃねえから」
コク、と頷けば中也さんは首領を呼んで、待ってましたと言わんばかりのテンションで首領が部屋に再び入ってくる。
「も〜僕だって蝶ちゃんともっといたかったのに!!……って、あれ?さっき中原君すっごい怒ってなかったかい?それがどうしてああしてこうしてこういうことに…」
「……うちの姫さんは寂しがり屋なもんでして」
『!?ひ、姫さッ…』
首領がベッドの方に歩いてきてしゃがみ込み、片腕出してと指示をする。
実験以外で意識のあるうちに採血をするのは初めてで、左腕を出して始まった消毒に身体を強ばらせた。
そしてチクリとしたかと思うと中に針が入ってきたのが伝わってきて、嫌な記憶を思い出す。
それに怯えるように右手で中也さんの背中にグッと抱きつけば、中也さんが耳元に顔を寄せる。
「蝶…昼間あんだけ散々言ってたけど、あれって結局お前、俺の事大好きなだけだろ」
『!!?な、ッ…にを今っ…』
「ち、蝶ちゃん?」
首領の声に何でもないです!と返すと、中也さんが続けて言う。
「大丈夫だ、心配しなくてもお前が離れたくねえのは分かってる……俺は生憎、そんじょそこらの普通の女に興味がねえんだ。綺麗だと思うのも唯一お前くれぇだよ」
『や、っ…だからそんな事、今いきなりッ!!!』
言っているうちにいつの間にか腕にはガーゼが貼られ、首領から終わったよと声がかけられる。
「やけに蝶ちゃんの様子がおかしいが、中原君?あんまり蝶ちゃんの事いじめちゃいけないよ?他の子よりも特別純粋な女の子なんだから」
「いや、だからこそ余計に面白いといいますか……特別可愛らしいでしょう?首領命令でもやりませんよ、うちの蝶は」
サラリととんでもない発言をする中也さんに顔を真っ赤にして煙を出す。
『へ、ッ!!?な、にっ!?だから中也さんさっきからなんでそんな風な……って、終わった…?』
「うん、終わったよ。とりあえず必要な機械は全部中原君に運んでもらったし見てくるから」
